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         くにゃら さん プロフィール


                                          電動車椅子を作ろう



その 1 2008年10月30日
話は少しさかのぼって、今年8月のこと。
日記にも少し書きましたが、8月初旬に家族で北海道旅行に行きました。自家用車に手動自走式の車椅子を積み込んで、
フェリーで苫小牧に入り、そこから北海道の西側を10日間ほどかけて回ってきました。旅行記を書こう書こうと思いながら早くも
3ヶ月が経とうとしておりますが、期待しておられた方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。

それはさておき、向こうではいたるところで車椅子のお世話になりました。特に、旭川市の旭山動物園や、小樽の市内散策では
車椅子が重宝しました。まぁ、私はほとんど押してもらうだけだったのですが、大変だったのは介助者たる家族です。
私は少し大柄なほうなので車椅子を押すほうも並みの力では賄えません。
小樽はまだしも、旭山動物園では坂も多く、手動車椅子ではかなりシビアな環境でした。帰りがけにゲート脇をふと見ると、
電動機能のある車椅子が置いてあり、「ああ、なるほど」と思いました。最初からそれを借りていればもう少しラクできたかもしれないわけで・・・。

車椅子は押すほうはもちろん大変なのですが、押してもらうほうも大変なのです。
ぐるぐる方向転換されると眩暈がするし、上り坂や下り坂では怖い思いをする。介助者からは前の足元が見にくいせいもあり、
人ごみでは歩行者のかかとにぶつけることもある。ぶつけなくとも、ぶつかりそうになるだけでこちらは恐縮至極。そして何より心苦しいのは
介助者が懸命に押してくれていることへの気兼ね。
それがたとえ家族であっても「無理しないでね〜」と言いたくなります。

私は怪我による頚髄損傷です。足だけでなく腕や手先にも麻痺があるので、自走式車椅子であっても自分で漕ぐには限界があり、
車椅子を使うにしてもほとんど押してもらうことになります。なので、一人で外出するにも制限があり、慣れた場所や
勝手が分かる場所ならまだしも、それ以外の行きたいところへはなかなか一人で行く勇気がありません。

それで、ふと思い立ったのが、「電動車椅子を作ろう〜」というわけなのです。
電動車椅子というのは、手元のスイッチをちょいと操作するだけで、電気の力で車椅子を前後左右に操作できるというものです。
他に、電動アシスト型というものもあって、そちらは自転車にも採用されているようにわずかな力で車輪を漕ぐことができるというものです。
電動アシスト型のほうが自分の意思を伝えやすいような気がするのですが、指先にも麻痺がある私はリムをうまく
グリップすることができないので、恐らくまっすぐ進ませることができません。それで、どうせ作るなら電動の車椅子をと思い立ちました。
電動なら力も要らず、小手先一つでスイスイ。しかも自分で操作するわけですから、気兼ねなく動けます。

電動の車椅子にもいくつか種類があります。
車輪が小さく、大きなバッテリがどんと積まれていて、一目で電動だと分かるような本格的なものが一つ。
そして、簡易電動型と呼ばれている、一見すると普通の自走式車椅子の形をしていて、それに電動ユニットが
組み込まれているものなどがあります。後者はレバーの切り替えにより手動にもなるので、役所などでは手動兼用型切替式電動車椅子
などと呼んでいるようです。
私は主に自家用車で移動して、出先で車椅子を使うという行動パターンが多いので、車椅子を自家用車に積載する必要があります。
私の車はいわゆる福祉車両ではないので、車椅子は折りたたんで載せなければなりません。前者の本格的な電動車椅子は
折りたたむ余地はありませんが、幸いにも後者の簡易電動型の場合は、普通の車椅子のように折りたたむことが可能です。
私は迷わずこの簡易電動型を選ぶことにしました。

電動車椅子を作ろう〜と言っても、その値段は気軽に買えるものではありません。
メーカーも色々とあって、そのスペックや装備によって値段はピンきりですが、安いものでも40〜50万円ぐらいします。
さぁ、ここで苦しいときのお役所頼み。

ちょうど8月は某手当の現況確認届けをしなければならない月なので役所に出向き、そのついでに障害福祉課に
立ち寄って聞いてみることにしました。ただでさえ役所を相手にするのは緊張するものですが、今回は給付や助成などに関する交渉です。
経験上これはなかなか大変な仕事です。
例によって、手元にある資料やインターネット・サイトなどで情報収集し、事前にがっちり武装して出かけました。

私が考えたのは、「補装具費の支給」という名目で電動車椅子作成のための費用を一部支給してもらおうということでした。
地元自治体が発行している「障害者福祉」に関する分厚い小冊子をつぶさに読み進めていくと、私の条件で電動車椅子作成の費用を
公費負担してもらえそうなことが分かりました。ただし、基準価格の見積金額の範囲内で1割の自己負担がありますが、
本体が高いものだけに非常に助かります。

役所と話をするときは、曖昧な知識を振り回すだけではダメだと言うことを経験上知っていますので、制度の名前や用語なども正確に
覚えていく必要があります。こちらが高飛車な態度をとってはいけませんが、正確な用語を使うだけで職員の対応も変わりますし、
何より話が早くなります。 今回も、電動車椅子を公費の一部助成を得て作りたいこと。その際、補装具費の支給という制度を利用したいこと。
それは「障害者福祉」についての小冊子で見てきたこと。なぜ電動が欲しいと思うようになったかということや、私の現在の生活環境や条件が
支給に適合していると思えることなどを整然と話しました。

すると話はあっさりと受け付けていただき、資料一式をもらうことができました。対応してくれた職員は若い女性で、非常に分かりやすく
話をしていただける有能な方でした。本件は、正確には「障害者自立支援法」に基づく支給になるとのこと。

ただ、やはりこれほど高額なものをいただくのは簡単ではなく、上級庁(都道府県レベル)管轄の障害者福祉センターにおいて
判定を受けなければならないということでした。
指定された日にセンターに出向いて、医師や理学療法士の診察を受け、実際に電動車椅子に乗って正しい操作ができるかどうか
実際に路上を走っての適正検査を受ける必要があるとのこと。
診察はとにかく、今まで電動車椅子にはほとんど乗ったことがない私は、実際に乗っているところを見せると聞いてビビりました。
まるで、自動車教習所の卒業検定のような印象を持ちました。
で、そのことを正直に職員に話したら、「業者さんで貸してくれるところもあるので、それで練習しておいたほうがいいですよ」とアドバイスをくれました。

「何度も役所に足を運ぶことは大変なので、今ここでできるだけの手続きをしておきたい」と話し、申請書類一式に記入、押印して提出しました。
心身障害者福祉センターでの判定については日時が決まっているというので、その場でセンターに電話していただき、
8月の実施日時をすべて教えてもらって持ち帰りました。電動車椅子貸し出しの手配があるので、その状況を見ながら、後日電話で
希望日時を伝えることにし、その日はそれで帰ってきました。

というわけで、以下、続きます〜。
その 2 2008年10月30日
電動車椅子を作ろうと思い立ち、希望のモデル入手のための長い道のりを歩み始めました。

どうしても8月中に障害者福祉センターの判定を受けたかったので、私はすぐにインターネットを駆使して、電動車椅子の業者を探しました。
役所へ相談に行く前にすでにいくつかピックアップしていたのですが、いざ選ぶとなると迷いました。
で、その後に注文するか否かはさておくことにして、とりあえず車椅子で大手のE社のショールーム(店舗)に電話して事情を話し、貸し出しが
可能かどうか確認しました。私は店に行けばすぐに店頭にあるものを借りられるかと思っていたのですが、電動車椅子は取り寄せなければ
ならないとのことで、本社にきいてみなければならないとのこと。しかし、折悪しくもちょうど本社がお盆の休暇の時期にあたり即答を得られず、
休暇明けまで待つことになりました。とりあえず、カタログ一式を送ってもらうことになり、カタログを眺めながら休暇明けを待ちました。

電動車椅子に限らず、カタログを見るのは大好きなんですよね。何を買うにしてもまずカタログです。特にメカフェチ(?)な私は、カタログをはじめ
ネット上の情報などつぶさに調べ上げ、休暇が明けるころには電動車椅子について一通り語れるほどになっていました(笑)。
結論から言いますと、無事にE社から簡易電動型の車椅子をお借りすることができました。
E社では簡易電動型の基本モデルを3種類用意されているんですが、私が希望していた最新モデル(Y○−○)のレンタル在庫が予約が
いっぱいだったので、普及モデルのほう(G△−△)をお借りしました。
車椅子の手配ができたので、まずは役所に電話を入れ、判定日の予約を8月下旬の某日でお願いしておきました。

電動車椅子をお借りするE社の店舗は隣の県にあります。隣と言っても、私の自宅からは車で一般道を走って延々2時間近く掛かりました。
さっそく店内で電動車椅子に乗り換えて動かしてみました。最初はすごく怖かったです。時速4.5kmという仕様のものだったのですが、
意外と速く感じられました。普通の人がせっせと歩くぐらいの感覚でしょうか。初めのうちは低速で慣らし運転をしましたが、割とすぐに慣れてきて、4.5km/hでも乗りこなせるようになってきました。店長さんの指示のもと、バックによる「車庫入れ」もこなせるようになりました。
とても楽しかったです。自分の意思で自由に動けるというのがこれほど面白いとは!

そのままお借りした電動車椅子に乗って駐車場まで戻りましたが、それを車に積むときが大変でした。家内が同行していたのですが、
簡易電動型とはいえ、バッテリを外しても26キロほどあります。それを荷台に入れるのが一苦労でした。これでも軽いほうだということですから、
ちょっとお先は真っ暗です。

さてさて、自宅に持って帰ってきたはいいけれど、判定日まであと3日しかありません。さっそく路上で練習を〜と思っていたら、雨!!
次の日も雨〜!で、まったく路上での試乗ができません。自宅に持ち帰って一度も乗ることなく2日が過ぎ、判定日の前日になって
辛うじて曇りになりました。ちょうど地元の病院に行く用事があったので、思い切って家内に同行してもらって病院までGO!
自宅から病院までだらだらした上り坂が続くのですが、電動車椅子だとへっちゃら〜。がんがん登っていってくれます。その道は上り坂とはいえ
段差などのない路面でまったく問題もなく、また面白くもなく。
で、その日はもう一軒、別の医院に行く必要があったので、また電動車椅子で路上を走っていきました。時速4.5kmのトップスピードで走ると
横を付いてくる家内はかなりの早足といった感じになります。なるほど、普通の人は歩きながらこんな風を感じているんだな〜などと
久しぶりともいえる発見に感動〜を味わっているのもつかの間・・・。

横を車がすり抜けていくと怖いのなんのって。車から見ると脇を抜けるのはどうということもないのでしょうけど、こちらは生身。
ぎりぎりのところで走り抜けられると生きた心地がしません。そして、バス通りに出ると、バスが大きいこと! こんなものに近寄らないほうが
いいなと思いながら歩道に上がろうとすると、その段差のきついこと! E社の店長さんから段差は斜めに入るほうがよいと聞いていたことが
幸いして転倒こそしませんでしたが、ほんのちょっとの段差も簡単ではありません。

そして、歩道の怖いこと! ところどころで斜めになっていますが、ほんの僅かな傾斜であっても車椅子ごとごろんと倒れてしまうのではないかと
何度も覚悟しました。普段は気付かないような段差や傾斜がめちゃくちゃ怖かったです。それに加えて、路面の小さな穴や裂け目など
気になって仕方がありません。目的地の医院に着いたときにはへとへとになっていました。

その日は駅前の銀行に行く用事があり、電動車椅子で行くにはちょうど良い距離でもありました。
でも、電動車椅子体験にすでにビビりまくっていた私はもう帰りたいと思いました。
「練習、それだけ〜!?」という家内の一言で、過酷な試練は続くことになりました(笑)。

やはり歩道は怖かったです。段差と傾斜が恐怖〜。段差へのアプローチの判断をちょっとでも誤ったり、通る路面を違えたりすると、
常に転倒の恐怖を感じなければなりません。そして、下にばかり気を取られていると、横や上からどんな障害物が出ているかも知れず・・・。
まさに命がけです。
車椅子は道路交通法では歩行者扱いとされているので、歩道が危ないからといってうっかり車道に出るわけにも行かず、
また車道に出ても車にすり抜けられるとこれまた危ないしで、ホント大変です。
駅前に行くまでの間、2箇所ほどかなりな下り坂があります。そこを降りられるかどうか勝負をかけることにしました。
転倒覚悟の大冒険です。
ものすごく怖かったです。

でも、おかげで坂道での体重移動のコツをつかむことができました。
銀行の中でも、狭いブースへの進入も経験しましたし、そこからバックで出ることもできました。わずかな時間でしたが、様々な条件を経験して
自宅へ戻りました。
自宅まであと少しというところで大雨が降ってきました。ずぶ濡れになりながら、もうちょっと速ければなぁ〜と思い始めていました。
そういえば、E社の店長さんが「4.5kmでも物足りなくなってきますよ」とおっしゃっていたのを思い出します。なるほど、こういうことか。

自宅まであと数十メートルというところで、濡れ鼠で車椅子を動かしている姿を見たおばさんが傘をかざしてくれました。ありがたいことです。
というわけで、なんとか電動車椅子の練習を終えたのでした。

以下、「その3」へ続きます。


その 3 2008年10月30日
電動車椅子の判定日の前日になんとか僅かな時間のにわか練習をこなしただけで、判定日当日を迎えました。

判定の際には、医師や理学療法士の診断、そして実際に路上を走っての適性検査があると聞いていましたので、ちょっと緊張していました。
お借りした電動車椅子を自家用車に載せて出発です。
幸い、ここ数日続いていた雨模様がうそのように良いお天気になりました。

障害者福祉センターのロビーに入ったのが受付期限のちょうど5分前ぐらい。
私は、E社からお借りした電動車椅子で来ていました。
ロビーには役所の障害福祉課の女性職員が待っていてくれました。「その1」に書くのを忘れていましたが、判定日には職員も同行することに
なっているそうです。一緒に来てくれていた家内に申し込み用紙(受付用紙)を記入してもらってしばし待ちました。

予約時間きっかりぐらいに奥の部屋へ通され、そこで障害の状態や部位、入院した病院や期間などを書く用紙を渡されましたので、
それも家内に書いてもらいました。私の場合は、海外の病院だけでも3つ、日本に帰国してからも2つの病院を転院しているので面倒です。
しかも何年も前のことなので月もウロ覚え。「だいたいでけっこうですよ」ということでしたので、まさに「だいたい」書いておきました。

その後、センターの職員(女性)の方に、事情聴取よろしく、現在の体の状態、生活の様子、通院歴、リハビリ、日常生活や環境その他について
細かく聞かれました。さらに、理学療法士の方(Nさん)が私の手足を動かしたりして、筋力や稼動範囲などのチェックをしました。
そうした聴取が約30分ぐらいだったでしょうか。

そのあと、いよいよ電動車椅子に乗っての「路上検定」です。
私は持参した電動車椅子でいいものだと思っていましたが、検査を平等にするためにすべての検査はセンターにある備品で行うことになっているそうです。なので、私の場合も、センターで用意された簡易電動型の車椅子に乗り換えることになりました。

センターの備品は、ヤマハ発動機が販売している既製モデルのようでした。そもそもE社でお借りしたモデルも、搭載されている電動ユニットは
ヤマハ発動機製のものでしたので、操作性は同じです。ですので、私には特に問題はありませんでした。

まず、部屋を出て長い廊下をず〜っとまっすぐ走りました。そして、直角に折れている廊下を曲がります。私は自動車教習所での
卒業検定のときのことを思い出していました。「速く走らなくてもいい、とにかく安全を確保すること!」という指導員の先生の言葉が思い出されます。
車椅子の判定でもそのことを念頭に置きました。

廊下を走るときもすれ違う人がいたら、速度を落としたり、スペースを空けたりするという余裕がありました。廊下の曲がり角でも一旦停止して
安全確認しながらゆっくり曲がるということもしました。前日の練習で修羅場(?)をくぐっていたのが奏功しました。

そうして玄関前のロビーまで来ると、2本の大きな柱の周りを8の字を書いて回ってくださいと言われ、そのとおりにしました。人通りもほとんどなく、
平坦で見通しの良い場所なのでまったく問題はありません。

次に廊下を少し戻って直角に曲がったところで、エレベータに乗りました。エレベータも、OXさんの店から駐車場に行くときに乗りました。
しかも厚かましく満員のエレベータを経験していましたし、銀行でも乗りましたので、問題なし。エレベータから後ろ向きに出るのもバッチリです。

そして階下に下り、少し廊下を行くと、外に出る通路がありました。いよいよ路上です。
建物の外に出るといきなり急な登り坂でした。
初めてだったら怯んだと思うような坂でしたが、前日の練習で修羅場をくぐった私は冷静でした。こんなの慣れてるよ〜と言わんがばかりに
派手に前傾姿勢を取り、一気に坂を登りきりました。

そのあと長いアプローチを走ってセンターの門から外の歩道に出ます。歩道には人通りがけっこうありました。
とにかくここでも安全第一。歩行者優先でじりじりとゆっくり進みました。
私の横にはセンターの女性職員と役所から来てくれた障害福祉課の女性職員、そして私の家内という美人3名を引き連れています。
あ、私の家内は美人じゃないけど(笑)。
3名が電動車椅子に座る私に熱い視線を送る中での「路上検定」。この様子は周りの人たちにはどう映ったでしょうか?

路上では、センターの職員がルートをそのつど指示してくれるので、私はそのとおりに路上を走りました。職員はルートの指示だけで、
それ以外のアドバイス的なことや注意事項などはいっさい話しませんでした。それだけに、「検査されている」という緊張感が常にありました。

さて、歩道をちょいと走ってから、信号を渡ります。片側3車線ほどもある大きな道路を渡り、向こう側へ。
段差、信号、歩行者、車・・・、あちこちに気を配らなければなりません。

そしてまたしばらく歩道を走ります。ここの歩道は幅が広かったので傾斜が気にならなかったのは助かりました。
そして、また信号を渡って戻ることに。

信号待ちをしているところには僅かに前へ下りの傾斜があったのですが、そこで止まっていると車椅子がじりじりと前へ動いていきます。
私がOXさんからお借りしていたモデルには電磁ブレーキと言うものが付いていたおかげで、普通に止まっていても自動的にブレーキが
掛かるものなのですが、どうやらセンターのモデルはそれが付いていない様子。一瞬あわてましたが、私はすぐに両輪の手動ブレーキを掛けて
事なきを得ました。

2度目の信号も無事に渡り終え、歩道をまっすぐ走ってセンターに戻りました。今度は正面玄関から建物に入ります。
そこに自動ドアがあったのですが、役所の職員に「自動ドアに突っ込んだ人がいたので気をつけて〜」と言われていたことを思い出し、
最後の関門(?)を落ち着いてクリアして中に入ったのでした。
廊下を進んで元いた部屋に戻り、無事に終了〜。
「路上検定」は時間にして20分ほどでしたかね。

部屋でしばらく待っていると、センターの職員が入ってきて「判定は無事に適となりました」と聞かされました。
医師も書類に目を通してOKの判断をしたそうです。

やった〜〜。
次は製作する車椅子の仕様などについて希望を聴取する時間です。

以下、「その4」に続きます。


その 4 2008年11月1日
公費による一部助成をいただいて電動車椅子を作ろうと思い立った私は、役所の指示により、福祉センターの判定を受けることになりました。
そして、センターにて「事情聴取」と「路上検定」を受け、見事にクリアして「適」と判定されました。
続いて、電動車椅子についての希望を述べる段です。

簡易型電動車椅子というのは、そもそもが普通の自走式車椅子に電動ユニットを組み込んだものです。電動ユニットを組み込んだ状態で
既製品として販売もされていますが、手持ちの自走式車椅子に後から電動ユニットを組み込むということも、一部の例外を除いて可能だそうです。
私は以前公費負担で支給してもらった自走式車椅子を持っていましたので、まずはその車椅子に電動ユニットを組み込むことを勧められました。
このことは役所で相談したときにも話されていたことなのですが、諸事情により自走式(=手動式)の車椅子も手元に置いておきたいと
思ったので、別のものが欲しい旨を主張しました。事情を理解してくださり、この件はOK。

ただし、障害者自立支援法で支給できる車椅子は1台が原則なので、今回新しい車椅子の支給を受けると、前回(5年以上前)に作った
自走式車椅子の登録は外され、修理などは完全自己負担になるそうです。


次に、いわゆる「既製品」とするか、「オーダーメイド」とするか、または「レディメイド」とするかの選択です。
これも私の希望と事情を話すと「オーダーメイド」で受け入れてくださいました。これにより、基準価格の範囲内で、私の体に合わせたサイズや
スペックでの製作が可能となります。

次に決めるのは、オプション品(付属装備品)です。
色々と話を聞きつつ希望を述べましたが、結局、

・クッション
・シートベルト
・転倒防止用装置を含む、切替式の手動兼用型電動装置
・電磁ブレーキ
・屋外用キャスター
・滑り止めハンドリム
・折りたたみ式背もたれ

などが認められました。

今日の日のためにE社の店長さんに事前に話をお伺いし、あらかじめ色々と考えて行ったものがだいたいOKとなりました。

「電磁ブレーキ」というのは当たり前に装備されているものだと思っていたのですが、どうやらそうでもないらしいです。
これは自動車でいうエンジンブレーキのようなものです。
たとえば、電磁ブレーキが装備されていないモデルの場合、坂道で停止し電動車輪を駆動していない状態にしても、路面の傾きに合わせて
そのまま動き出してしまいます。これを止めるにはハンドブレーキを掛けるしかありません。
一方、電磁ブレーキがあると、電動スイッチをオフにしてもモーターにブレーキが掛かるので、いちいちハンドブレーキを掛けないでも勝手に
坂を下ってしまうことはありません。停止するたびに傾斜の状況を見ていちいちブレーキを掛けるなんてことは面倒なので、電磁ブレーキは必需品です。

路上判定の際、私が信号待ちで止まったとき、僅かな傾斜でも車椅子がジリジリと前へ動き出し、やむを得ずハンドブレーキを
掛けたということはすでに書いたとおりです。私がE社からお借りしていた車椅子ではそのようなことがなかったのでちょっと焦りましたが、
なぜそうなったかと言うと、ずばりセンター備品の車椅子には「電磁ブレーキ」が装備されていなかったからでした。

あのとき路上判定に立ち会ったセンターの職員Nさんが、ハンドブレーキを掛けざるを得なかったことをきちんと見ていてくれたのです。
それで職員のほうから「電磁ブレーキがあるほうがいいですね〜」と追加する話をしてくれたのでした。これは自分ではまったく
気付かなかったのでありがたかったです。

私は両手にも障害がありますが、どちらかというと左のほうがまだ動きがマシなので、障害を負ってからは左手に利き手を交換しているのですが、
電動車椅子のステック操作も左手でやります。それもチェックされて、「ステック操作は左」と記録されました。こういうのも事前に
決めておかなければならないんですね。
OXさんのモデルではコントローラを簡単に左右交換していましたので、あとでどうにでもなりそうですが。

最後に、私が一番気になっていたことを確認してみました。
それは電動車椅子の「速度」のことです。
いま日本国内で販売されている電動車椅子の速度には2種類あります。
時速4.5km仕様と時速6.0km仕様です。
いずれも段階的に速度調節ができるので、私はどうせならトップスピードが速いほうがいいなぁと思っていました。
そもそも今回E社にお借りしたかったのはY○−○というモデル、つまり6.0km仕様のものだったのです。しかし、それが予約いっぱいでかなわず、
結局GW-Eという4.5km仕様のものしかお借りできませんでした。

日常使う分には4.5km仕様のもので十分なのですが、やはり前日のようなときにはもっと速いものが欲しくなります。
この件について店長さんにも聞いていたのですが、「初めて電動車椅子を申請するときは4.5kmになりますよ」と言われていました。
でも、もしかして4.5kmをスイスイ乗りこなしているところを見せれば道は開けるかも〜ということでしたので、私は一縷の望みを抱いていました。

当日の判定ではスイスイ乗りこなしたつもりだったのですが、この件でセンターの判定職員に尋ねてみると、やはり最初の申請では
4.5km仕様になるとのこと。

もし6.0km仕様にしたかったら、今回支給される4.5km仕様を使ってみて、不都合を訴え、あらためて申請する必要があるというのです。
不都合とは何かということですが、たとえば自宅近くに幅の大きな車道があるとか、踏切があるとかの環境で、4.5km仕様では
遅すぎて渡りきれないといった事例らしいです。

私はどうしても6.0kmが欲しいとちょっと駄々をこねてみましたが(笑)、そんな理屈のない話が通るわけもなく、そもそも4.5kmであっても
認められるだけでも嬉しいことなので、とりあえずはおとなしく帰ってくることにしました。

このようにセンターでの判定は1日で終わりました。
所要時間はぜんぶで90分ほどでした。
判定日時は予め設定されたいくつかのスケジュールから選んで予約を入れなければなりません。当日は、指定された時間の10分前までに
受け付けを済ませなければなりません。

私の自治体では役所の障害福祉課の職員が立ち会ってくれましたが、E社の店長さんの話では、業者の立会いは認められていないそうです。
(隣県では業者の立会いはOKだそうです。)
業者さんが立ち会ってくれたら、希望装備品などを述べる段でこちらが気付かないことなどの補足が期待できるのでありがたいのですが・・・。

とりあえず判定が「適」となり、希望も述べましたので、あとは判定通知書と処方内訳書の発行を待つことになります。


以下、「その5」に続きます。

その 5 2008年11月1日
いわゆる障害者自立支援法を利用して電動車椅子を作ろうと思い立ち、8月末に福祉センターでの判定も無事済ませました。
判定では電動車椅子に実際に乗っているところを見せて、支給が適当か不適当かを決められるというので緊張しました。

私は過去に電動車椅子を使ったことがあるのは1度だけ、それも伊勢神宮で一時的にお借りしたものです。伊勢神宮の境内は砂利道が続くので
自走式で進むのは押してもらったとしても無理。それで敢えて電動車椅子を貸し出しているということでした。
あのときお借りしたのは車輪が小さな本格的な電動車椅子です。自重があるので安定していましたし、操作する場所も人気があまりない広い場所。
ほとんどまっすぐ進むだけの環境でしたので、初めての私も問題なく動かすことができました。

しかし、今回操作しなければならないのは簡易電動型。しかも路上での判定は街中の人も車も行き交う忙しい場所です。
何ごとも事前準備をきちんとしておかなければ緊張で胃の調子を悪くしてしまう私は、今回の判定にも万全の対策をして臨みたいと考えていました。

今までの苦労は文章にしてしまうと「これだけか」とも思えますが、実際には気苦労もあり体調も整えておかなければならずと色々たいへんでした。
まぁ、とにもかくにも第一関門は無事に通過〜。
しかし、これからやらなければならないことはいくつもあります。

E社からお借りした電動車椅子は、10日間ほど無料で使っていて良いですよと言われていたのですが、センターで判定を受けた日に
返却に行きました。なにせ一般道で自宅から2時間近くも掛かるので、外出ついでに思い切って行かないと腰がますます重くなります。
電動車椅子の面白さみたいなものを感じ始めていましたので、もう少しお借りして色んなところに行ってみたかったのですが、
それは自分の車椅子ができてからのお楽しみにしようと思います。

センターの職員のお話では、判定後1週間ぐらいで役所の障害福祉課のほうに判定書と処方内訳書など一式が届くとのこと。
障害福祉課ではそのコピーを私宛に郵送するので、それを希望する業者に提示して見積書を作成してもらってくださいということでした。

そして、その書類のコピーが約束どおり届きました。
丁寧な職員の手紙とともに「判定書」が1枚、「処方内訳書」が1枚、それに加えて、「適合報告書」という3枚綴りの用紙が同封されていました。
「判定書」には、「補装具費【電動車いす】の支給は適当と認められる。」という嬉しい文言が光ります。また、その書類の備考欄には
電動車椅子の種類や既支給の車椅子の扱いなどについて書かれていました。

「処方内訳書」のほうは流石に詳しく記載されていました。
すでに印刷されている各項目について、必要と認められるものにマル印が入っていて、ところどころに補足説明が記入されています。
その項目を見ると実に細かいことまで申請しておかなければならないものだったんだなぁと改めて知りました。
クッション一つとっても、その素材や構造により5項目も挙げられています。
クッションについては、センターにいくつか種類が用意されていて、それらの中から選ばせてくれたので、ベストな選択になっているはず。

それ以外の項目についても、幸いにも私が申請したものはもちろん、欲しいと思っていたものはすべてカバーできているようでしたが、
そのほかに、「バッテリの指定」や「外部充電器」などの項目にマル印が入っており、また、構造として「ハンドリム=左・右」や「操作=左」
という項目まで指定が入っていました。
また気になる「速度」については、「時速4.5km」と明記されていました。

この後の手順としては、これら書類を車椅子業者に提示して見積書を入手し、それを障害福祉課に送付します。
そして審査の上で「支給決定通知書」が発行されることになります。
そのあと業者との打ち合わせや採寸などとなるのでしょう。
車椅子が完成したら、適合判定というものを受けなければなりません。処方指示のとおりに出来上がっているかどうかの確認を受けるのです。
最寄の病院などでリハビリ専門的技術を持つ第3者、つまり医師やPTなどの方に適合判定書類を作成してもらえればそれで
代用できるとのことですが、そうでない場合はまたセンターに出向いて補装具適合判定を受けなければなりません。

そんな先のことはさておき、今やることは業者の見積もりの入手です。
実はこの段階で私はまだ注文する業者を決めかねていたのです。本来ならば電動車椅子をお借りしたE社にお願いするのが
筋なのかもしれませんが、せっかく高価なものを購入するのであればひとしきり悩んでみようと思ったのです。E社からお借りしたときは
判定日が間近に迫っており、ゆっくり比較検討する暇がなかったこともあり、私はこの期に及んで情報収集に励むことにしました。
メーカー各社のサイトを訪問することはもちろん、車椅子の先輩であるマイミクさんに色々と教えていただいたり、ミクシィのコミュで相談したりもしました。
そのままズルズルと悩み続け、結局E社に見積もり依頼をしたのは書類を入手してからちょうど1ヵ月後のことでした。

以下、「その6」に続きます。

その 6 2008年11月3日
電動車椅子を作るに際して、8月末に福祉センターでの判定も終え、処方内訳書も入手できました。これで公費の助成を得て車椅子を製作する
第一関門を乗り越えることができました。
次はその処方内訳書を車椅子業者に提示して見積書を作ってもらわなければなりません。
私はその後の業者選定で悩んでおりましたが、「きもの文化検定」試験まで1ヶ月を切り、さすがに試験勉強の準備を始めなければならなくなりました。
それまでにマイミクさんをはじめとして、コミュでも相談した結果、結局、電動車椅子をお借りしたE社に依頼することにしました。

手元に届いていた「判定書」と「処方内訳書」のコピーを取り、E社に送付しました。
通常、見積書は業者さんから直接役所のほうに送付されるということになっているらしいのですが、私は見積もり金額が知りたかったので、
私に送付してもらうようお願いしました。
役所へは私から送付するつもりでした。

E社に書類を送付した数日後、役所の職員から電話が掛かってきました。いつまで経っても見積書が送られてこないので、心配して
わざわざ電話して来てくれたのでした。私はこのとき未練がましく、電動車椅子の「速度」のことをあらためて確認してみました。というのも、
コミュで相談したときに、「処方は4.5km仕様だったけれども、6.0km仕様で作り、差額を自己負担した」という情報があったからでした。
電話でもそのような希望を伝えてみたのですが、結果は「不可」。
適合判定のときに処方どおりに作られていないと認められないということと、その後の修理などの対応にも影響するというお話でした。
もうここまで来ると納得するしかありません。
私は、「業者の選定に少々時間をいただきましたが、いま現在、見積書の作成を依頼中です」と伝えました。

その後2週間ほど経ってもいっこうに見積書が送られてくる気配がなかったのでE社に確認すると、なんともう役所のほうに
直送してくれていたようです。このあと役所から支給決定通知書が届くのを待つわけですが、それが発行されるまで1〜2ヶ月
かかるということでした。役所の仕事に時間が掛かるというのはこれまでも身を持って経験していましたし、マイミクさんからも車椅子を
作ること自体に数ヶ月掛かると聞いていましたので、1〜2ヶ月と聞いても特に驚きもしませんでした。
しかし、よく考えてみると、センターで判定も出ていて、ちゃんとした登録業者から福祉制度の基準額に基づいた見積書も出ているのに、
どうしてそんなに時間が掛かるんでしょうね。

E社には、私のほうにも見積書のコピーを送ってもらえるようにお願いしたところ、つい先日、郵送されてきました。
その見積書には車いす本体価格や電動装置の価格のほか、シートベルト、クッション、バッテリなど「処方内訳書」に記入されていた
項目ごとに価格が記載されていました。
それに加えて、「受託報酬額」という項目があり総額の3%が計上されていました。

というわけで、今日現在は役所からの「支給決定通知書」の発行待ちの状態です。
今後進展がありましたら、日記で報告させていただきたいと思います。

その 7 2009年3月13日
すっかりご無沙汰していた感がある「電動車椅子を作ろう」シリーズですが、あれからどうなったのだろうと気に掛けてくださっている方も
いらっしゃるかと思います。今日は、その後日談、と言いますか、実のところ、まだ経過報告になるのですが、現況をお話したいと思います。

時は遡ること約7ヶ月ほど前の昨年8月。
簡易型の電動車椅子を作ろうと思い立った私は、公的補助を受けるために役所に掛け合い、着実に駒を進めていったのでした。
その道のりは、過去の日記で復習(?)してみてください(笑)。
役所の障害福祉課での相談&交渉、車椅子メーカーE社からのレンタル、上級庁での判定、処方内訳書の入手、車椅子メーカーE社への
見積依頼、などを経て、ようやくメーカーE社から役所宛てに見積書を提出してもらって、あとは裁定結果待ちというところまで漕ぎつけたのが
昨年の10月中旬頃でした。最後の日記(11月3日付)を読み返すと、メーカーE社からのメールで「裁定通知が届くまで1〜2ヶ月掛かる」
と聞かされたと書いてあります。

それで私はおとなしく待っておりました(笑)。
役所相手に1〜2ヶ月待つなんてことは別に珍しいことではありません。障害者手帳の発行まで数ヶ月、あるいは障害年金の裁定まで
半年かかったなどという例はごく普通に聞いていますから、1〜2ヶ月なんて早いほうだとも思ってしまいます(笑)。
10月中旬にE社が役所に見積書を送ってくれたとすると、裁定通知が来るのは12月か〜。その後、それを元に採寸を依頼し、
仮合わせをして再調整なんてことを繰り返していると、車椅子ができあがるのは早くても春先かな。まぁ、ゴールデン・ウィークに
使えればいいかなぁ、などと私は呑気に計算していました。

いよいよ12月が来ても音沙汰はありません。まぁ、年末のバタバタしているときに採寸なんてことにならずに良かったかな、
と私はまだ呑気に構えていました。
年が明けて、娘の某検定試験対策の手伝いに追われるようになり、このタイミングで裁定通知が出ても困るなぁと自分勝手な思いで
いっぱいでした。そんな思いが神様のイタズラ心に火をつけてしまったのか、2月になっても何の連絡もなし。いつもの私ならば、
2ヶ月を過ぎたあたり、つまり新年を迎えたころには確認の電話を役所に入れるのですが、妙なタイミングで裁定通知が出ても
ややこしいなぁという気持ちがあったので、早く来いという思いと、今は来ないでくれという思いが交錯したまま日々を過ごしておりました。
毎日郵便受けを覗いては落胆するやら、ほっとするやらという複雑な心境でした。

皆様をあまり焦らすのは申し訳ないので、そろそろ結論を書きますと、E社から役所に送ってもらっていたはずの見積書は、結局、
役所の担当者には届いていなかったのです〜!
昨日、役所の障害福祉課に出向く機会があったのですが、車椅子の判定にも同行してくれた女性職員のMさんが声をかけてきてくれました。
「あれから車椅子の件はどうなりましたか?」
これはMさんのほうのセリフです(笑)。

私は、E社に見積書を依頼し、直接役所のほうに送ってもらったことなど顛末を説明しましたが、「あれ〜、受け取ってませんよ〜」とのこと。
私はなぜか怒りも悲しみも沸き起こることなく、呆れることすらありませんでした。少しは大人になったのでしょうか(笑)? 
経験上こういうことはありがちなことだと悟っていたせいかもしれません。

見積書の件では実のところ、私は予防線を張ろうとしていました。
E社は直接送ると言っていたのですが、私はちょっと危ないと考え、「私のほうから送るので、見積書ができたらまずは私のほうへ送って欲しい」
旨をお願いしていたのです。なのに、E社はいつもの間にか「送っておきました」と・・・。しかも、センターの判定書&処方内訳書を送ったときには
何の連絡も無く、あまりに返信が無いので、投函して3週間ぐらいしてからメールで問い合わせたら、「すでに送っておきました」
という返信をもらいました。私は、見積書の価格が知りたかったので、「コピーを送ってください」とお願いすると、すぐに郵送されてきたので、
見積書の作成はされていたことになります。

私がメールや電話でやり取りしていたのは、昨年、電動車椅子を無償でお貸しいただいたE社ショールームの店長さんでした。その店長さん経由で、
私の地域を担当している支社にお願いしている様子だったのですが、その連携がうまく行かなかったのでしょうか。
今週、役所に行くことになったので、それに先立って、ようやく先週、その店長さんに、役所からはまだ何のアプローチも無いことを
メールで伝えました。店長さんからは「それはちょっと時間が掛かりすぎるので確認してみます」との返信をもらっていたのですが、
1週間たった今でも、まだ連絡はありません。
このままこのE社に製作をお願いしても大丈夫なのか、ちょっと不安になりますね。車椅子メーカーとしては有名なところなのですがね・・・。

というわけで、この件は仕切りなおしとなりました(笑)。


さて、役所の担当者と久しぶりに会って話をしたのですが、これがまた意外な展開となりつつあります。
この件については、次の日記に続きます〜。

その 8 2009年3月13日
今週の木曜日に役所の障害福祉課に出向く機会があり、結局、車椅子メーカーE社から役所に提出されているはずの見積書が届いておらず、
約5ヶ月が無為に過ぎ去ってしまったことが判明したと先の日記に書きました。

支給を待っているのが今の私の生活になくてはならない物だったならば、私も「怒り心頭に発する」だったかもしれませんが、
今回は特に急を要する物でもなかったせいか、意外と冷静に受け止めております。これというのも、役所の障害福祉課の担当職員との話で、
あらたな展開が見られたせいもあるかもしれません。その展開とは、時速6km仕様をゲットする道が開けるかもしれないという希望が出てきたからです。

過去の日記にも書きましたが、電動車椅子の標準最高速度は時速4.5kmとされています。これを上回る仕様としては現在国内で
許可されるトップスピードである時速6.0kmのものがありますが、公的補助を受けるにあたっては、初回の申請では4.5km仕様のものしか
認められないという原則があるのです。
時速4.5kmでも健常者が早足で歩くぐらいのスピードはあるのですが、私が僅かな間に試乗しただけでもすぐに物足りなくなってきます。
なので、私はどうしても時速6.0km仕様が欲しくて、業者の店長さんに相談したり、役所の職員に掛け合ったり、挙句は判定を受けた
上級庁のセンターでも交渉してみたのですが、案の定、初回申請では4.5kmしか出ないということで諦めていました。

木曜日に障害福祉課の女性職員Mさんと話したときのこと。
業者の見積書が届いていないことが判明し、「(電動車椅子)作りますよね〜?」と念押しされたので、「ハイ!」と答えると、私のほうからは
何も言っていないのに、「4.5kmのものでいいんですか?」との問いかけがありました。
「できれば、6.0kmがいいんですけどね」とこの期に及んで希望を述べると、「私たち(役所の自治体)のほうで6.0kmで支給したいと認めると、
6.0kmが出せるかもしれないんですよ」と言ってくれたのです。「基準は4.5kmなので、6.0kmにするにはやはりそれなりの理由は要るのですけどね」
とのこと。
「たとえば、自宅近くに大きな道路があって、4.5kmでは渡りきれないとか、踏切があるとかね」という話でしたが、これは判定日のセンターの
職員からも聞いていた通りでした。たしかあの時は、いったん4.5kmの支給を受けて、しばらく使ってみてからどうしても不都合があるようならば
再度判定を受けなければならないと聞いていました。最初から6.0kmを希望していた私にとっては、この2段階のステップは何とも煩わしく感じました。

それが、今週の役所での話では最初から6.0km仕様が作れるかもしれない。
私はちょっと浮き立ちました。
「ちょっと上級庁に聞いてから、お電話差し上げますね」ということでしたので、楽しみに待つことにしました。
自宅に戻るとすぐに電話がありました。私の自治体の役所はいつもレスポンスが速いので頼もしいです。窓口もいつ行っても空いているし、
快適なところも評価できます。

で、電話の内容ですが・・・。
昨年8月に判定を受けた上級庁のセンターで再び6.0km仕様の判定を受けることになりました。また実際に電動車椅子に乗っているところを
見せるのだそうです。もちろん今度は6.0km仕様のものに乗るわけです。その際、6.0km仕様の車椅子が必要な理由を説明してください
ということでした。その場合のアドバイスもいただきました。とても親切な職員さんでありがたいです。

私は正直、また判定か〜とちょっとメゲましたが、職員さんが親身になって悩んでくださっていることと、そして何より6.0km仕様が
作れるかもしれないという期待で、判定を受けることを快諾しました。判定の日程が決まっているので候補日時をセンターに確認してもらい、
折返しの電話で教えてもらいました。一番早くには来週にも判定を受けることができる日程がありましたが、私のほうのスケジュールが合わず、
一晩考えてから、4月早々でスケジュールを押さえてもらいました。

仕切りなおしといえばホントの仕切りなおしになってしまいましたが、よく考えると、5ヶ月待ったおかげで6.0km仕様のものが作れるように
なったかも知れず、何が幸いするのか分からないものです。もちろん、まだ決まったわけではないので楽観視はできませんが、
いま非常に楽しみにしております。


ところで、役所でMさんと話したときにもうひとつ確認したことがあります。それは電動車椅子のバッテリについてです。
技術は日々進歩するもので、電動車椅子の分野でも例外ではありません。私が半年もモタモタしているうちに、以前は「ニッケル水素」
電池しかなかった仕様に、今年の2月から「リチウムイオン」電池の仕様が新たに加わりました。そのような変革に福祉行政がどの程度ついて
来ているか、チェックを入れてみたのです。
この件については、次の日記に書くことにします。
その 9 2009年4月8日
ようやく風邪の症状も治まり、少しずつエネルギーが復活してきました。
ご心配いただいた皆様、ありがとうございました。


さて、報告したい事柄はヤマほどあるのですが、今回は、予告のみで止まっていた「簡易電動車椅子」のバッテリについて書いておきたいと思います。

前回3/13の日記(その8)に書きましたように、私が簡易電動車椅子の製作申請にもたついているうちに、市販モデルのバッテリにも
新たな仕様のものが加わりました。

従来のバッテリは「ニッケル水素」電池が主流だったのですが、今年の2月からYAMAHA製の電動ユニットに「リチウム・イオン」電池が
登場したのです。正確に言うと、以前発売されていた「リチウム・イオン」タイプのものの不具合を克服して再発売したということのようです。
この話はマイミクさんから昨年末あたりに情報をいただいていたので、どのような仕様や価格設定になるのか楽しみにしていました。

車椅子メーカーのE社からのメールによると、これまでのニッケル水素電池に比べ、走行距離は倍の30km、充電可能回数は700回と格段に
上がっているそうです。

ここで、ちょっと電池のお話。
懐中電灯やラジオ受信機などに使う「乾電池」を専門的には「一次電池」と呼びますが、これは化学反応が終了すると起電力を得られなくなり
使用不能となる電池です。

それに対し、双方向に化学反応を起こすことによって起電力を復活させることができるもの、つまり放電と充電を行うことによって繰り返し
使用することができる「蓄電池」を「二次電池」と呼びます。

電動車椅子に装備されるようになったリチウム・イオン電池は、正確に言うと「リチウム・イオン二次電池」ということになります。
なので、ここでは以下、単に「電池」と書きますが、「二次電池」のことを指しています。

リチウム・イオン電池は、性能的にはニッケル水素電池よりも上位になり、ユーザーとしても扱いやすいので、是非とも「リチウム・イオン」
のほうを選びたくなります。

その第一の理由は、蓄電池のメモリ効果です。
「ニッケル・水素」電池や「ニッケル・カドミウム」電池(=ニッカド)などにはメモリ効果というのがあり、これが厄介者なのです。
メモリ効果というのは、これらの蓄電池を完全放電しない状態で充電したときに発生する現象のことです。

これら蓄電池を完全放電前、つまり完全に使い切らないうちに充電すると、充電したときのレベルを蓄電池が記憶してしまい、それ以上深い
充電ができなくなってしまうのです。

また放電するとき(=電気を使うとき)にも、記憶したレベルに達するとまだ電気は残っているにもかかわらず放電を停止してしまいます。
これでは記憶されたレベルまでしか充電・放電ができなくなってしまうということで、メモリ効果が大きいと蓄電池の容量が減少してしまいます。

言い換えると、蓄電池の電気の残量が半分ほどになったからと言ってそのまま継ぎ足し充電すると、蓄電池自身が
「自分の容量は半分しかないのだ」と思い込み、充電しても半分まで電気を使うと、それで空っぽになったと判断して働くのをやめてしまいます。
そして、それを繰り返していると、元々持っている容量の半分しか使えずに、1回充電に対して動くのは本来性能の半分以下・・・。
新品の電池なのにどうしてこんなにモチが悪いの〜?ということになってしまいます。

ただ、これら「ニッケル水素」や「ニッケル・カドミウム」の蓄電池に発生するメモリ効果は一時的なもので、一度深い放電を行って
完全に空っぽにすればメモリ効果は消滅します。ニッケル系の蓄電池の充電器には放電機能(リフレッシュ機能)が付いている物がありますが、
これは充電前に一度完全放電を行うためのものなのです。

一方で、リチウム・イオン電池はどうかと言いますと、こちらはメモリ効果がかなり小さいので、継ぎ足し充電をする機器に適しているという
利点があります。携帯電話やノートパソコン、iPodのようなオーディオプレーヤではほとんどがこの蓄電池を使用しています。
外出先で電池が切れては困るので、お出かけ前に電気の不足分をちょいと充電、なんていうシーンは普通にありますよね。
こういう時こそリチウム・イオン電池の出番なのです。

また、リチウム・イオン電池は自己放電特性(=充電エネルギーの保持特性)がニッケル系の電池より格段に良い、つまり長持ちするという
利点があり、この点に於いても魅力的な蓄電池であると言えます。

欠点もいくつかあるのですが、日常生活に於いて気にしなければならないことと言えば、「衝撃に対する保護」と「保存特性
(=保存状態での性能保持特性)が劣ること)」あたりかなと思っています。要は、取り扱いと保存状態に注意ということですね。


さて、ここで電動車椅子のバッテリとして適・不適を考えてみますと、私が性能で選ぶとしたら「リチウム・イオン」になるでしょうか。
その第一の理由は上に書いたように「メモリ効果」です。

電動車椅子は電気があってこそ便利な道具です。外出先でバッテリ切れでは話になりません。なので、お出かけ前には少しでも
満充電状態にしておきたいもの。ニッケル水素電池ならばいちいち完全放電してから充電しなければならず、時間も掛かるし、
何より充放電を繰り返すと寿命を縮めることにもなります。

それに対してリチウム・イオン電池ならば、気軽に継ぎ足し充電が可能なので、何の気兼ねも無く常に満充電の状態で外出できるということになります。
それに加えて、1回の充電での走行距離がニッケル水素電池の倍ということだし、寿命も長いとなると魅力的なことこの上なし〜。

前置きが長くなりました。
ここまでの話では、文句無くリチウム・イオン電池を選べば良いということになりますが、そうすんなりと事は運ばないのです。

まず、価格がかなり高くなります。
E社に問い合わせたところ、新車注文の際にリチウム・イオン仕様にすると生じる差額はプラス69,000円だそうです。

では、障害福祉の助成のほうはどうかというと、福祉行政は遅れていて、いまだに「ニッケル水素」でしか申請は認められず、
リチウム・イオン電池の分は実費自己負担ということになるのだそうです。そうなるとバッテリ部分だけで約10万円は余計に
掛かるということになります。これはかなり痛い・・・。

さらに役所の担当者Mさんに確認してみたのですが、申請範囲内で認められている「ニッケル水素」電池にした場合、
電池寿命などにより新しい電池が必要となったら「修理対応」で支給することができるが、「リチウム・イオン」電池にした場合は当然、
新しい電池も全額自己負担になるということでした。

バッテリ自身は「ニッケル水素」であっても安い物ではないし、また蓄電池の寿命はニッケルであれリチウムであれ意外と短いものなだけに、
こうした条件を勘案すると実に悩ましい選択になります。


今まであれこれ悩んできたのですが、現段階では「ニッケル水素」電池のものでいいかなと思い始めております。

その理由としては、
・「リチウム・イオン」バッテリ部分が高価なこと。
・「ニッケル水素」の新しいバッテリ購入時に助成が受けられること。
・もう少し待てば、制度が変わり、「リチウム・イオン」電池も助成対象になるかもしれないこと(←勝手な推測ですが)。
・「リチウム・イオン」の走行距離の長さも魅力的だが、私の使用環境では10kmぐらいでも問題がなさそうなこと。
・いずれ技術が進んで、改良型が次々に登場するかもしれないこと。


これを書きながら気持ちの整理をつけようとしたのですが、書いているうちにまた悩み出してしまいました(笑)。
それ以前の問題として、早くメーカーやモデルの選定をしなければならないというのにね。


さて次回は、先日あらためて受けた速度変更の「判定」について書きたいと思います。


その 10 2009年4月11日
昨年10月に某車椅子メーカーに簡易電動車椅子の見積書を作成してもらったのですが、それが手違いで役所に届いておらず、
結局、5ヶ月も無為に過ごしてしまった呑気な私でした。そこまでの顛末は過去の日記に書いたとおりです。

しかし、怪我の功名と言うべきか、その5ヶ月は無駄ではなかったのです。
役所の障害福祉課の担当女性職員 Mさんの一言のおかげで、初回の公費申請では時速4.5km仕様のものしか認められなかったものが、
6.0km仕様のものに変更できるかもしれないという道が拓けてきました。
とはいえ、その道は容易なものではなく、もう一度、上級庁のセンターに出向いて、「速度変更」の判定を受けることになったのでした。

一時は「また判定か〜」とちょっとメゲましたが、もしかして念願の6.0km仕様が手に入るかもしれないという期待でいっぱいになり、
さっそく4月某日に判定の予約を入れてもらいました。センターの判定は日時があらかじめ指定されており、その中から自分が希望する日時に
予約を入れてもらうという仕組みになっています。3月中旬の段階で早ければ翌週にも判定予約が入ったのですが、例の里帰りなどの
スケジュールもあり、少し間延びするものの4月の予約となりました。

予約を入れると、前回同様、役所の職員Mさんから「補装具判定の予約について」という通知が郵送されてきました。
その通知には予約日時や内容、判定場所などが記されているのですが、昨年と同じく、クマさんの可愛いイラスト入りのメモパッドに
Mさん手書きのメモが添えられていました。
それによると、「時速6kmの電動は、特別な理由が無い限り判定が出ません。判定のときに理由を具体的に説明してください」
というようなことが書いてありました。そして、カッコ付きでどのような説明をするべきかなど細かく書かれています。
「たとえば、○△通りがどうしたこうした・・・」など。
うむ、可愛らしい文字なんだけど、書かれていることはかなりシビアです。私は、簡単に考えていただけに、これはちょっと気持ちを引き締めて
掛からないといけないなと思い始めました。

メモに書かれていた説明は、先に私が役所を訪問したときにMさんに訴えた事柄を踏襲したものでした。
実のところ、電動車椅子の支給決定通知書を待っていた5ヶ月の間、ずっとではありませんが、ときどき簡易電動車椅子をレンタルして、
自宅周辺を散策していたのです。役所のMさんには、そのときの経験談を語ったのでした。
「自宅近くの生活圏内にある○△通りや○○通りを渡るとき、4.5km仕様だと、青信号のうちにどうしても渡りきれない」などと、具体的に
通りの名前を出して話しました。これは、以前の日記にも書いたように、昨年の判定で6.0km仕様を希望したときにセンターの職員から
言われたことが基になっています。つまり、一度4.5kmに乗ってみて、身の回りで不都合が生じ、もっと速い車椅子が必要であるということを
証明しなければならないのです。

役所のMさんのメモは、あのときの私の話をもとにアドバイスを書いてくださったものでした。通りの名前も全部入っています。
う〜む、なかなかデキる職員さんです。
それにしても、「6kmは特別な理由が無い限り判定が出ない」という一文は私を十分ビビらせてくれました。
私は、ここまで親身になってくださっているMさんのためにも(?)、絶対にクリアしてやろうと妙な闘志を燃やし始めたのでした。


里帰りの準備にあわただしい中、私は、○△通りと○○通りに出向き、メボシを付けておいた交差点をいくつか調べて回りました。
いずれも最寄の駅に通じるところだったり、商店街に出る途上だったり、大手スーパーの近くだったりする場所です。それら交差点を
実際に渡ったり、信号の時間を計ったり、人や車の動きを観察したり、道路の段差や起伏を調べたりしました。もちろん交差点の名前もチェックです。

そうして、自宅に帰るや、レポートを作成しました。
判定で説明するにはあまり量が多すぎてもいけないと考え、最も通行に支障がありそうな交差点を3つピックアップしました。
そして、それぞれに「通りと交差点名称」、「道路状況」や「通行時の様子」、「車や人の動き」、「危険に感じる状況」などを簡潔にまとめました。
「道路状況」では、道路の車線数や道幅、信号の点灯・点滅時間なども盛り込みました。
幸か不幸か、ピックアップした通りはいずれも有名な大通りで、さらに交差点のうち、一つは変則な4差路、もう一つは5差路という、
危険度ばっちりな(?)環境でした。それを文章にまとめると、抑えたつもりでも、電動車椅子で渡るにはいかに過酷な試練であるかという
気持ちが滲み出てくるようです。我ながら優れたレポートであると悦に入りながら、月末の里帰りに旅立ったのでした。

さて、里帰り旅行から戻ると早々に判定の日を迎えました。
判定日の一件については次の日記に続きます。

その 11 2009年4月22日
レポートがなかなかリアルタイムでお伝えできず、申し訳ありません。
メーカー選定のほうも遅々として進まず・・・。

さて、今日は先日受けてきた判定の報告です。
簡易電動車椅子の速度変更の判定を受けることになり、4月某日、予約を入れていただいた時刻を目指して上級庁のセンターに出向きました。
これまでの日記に書きましたように、今回は時速4.5km仕様のものを6.0km仕様に変更してもらうための判定です。
この判定で「適」と認められると、公費の助成を受けて6.0km仕様の簡易電動車椅子の製作に着手できます。

判定当日は良い天気で、暑くも寒くもない絶好の判定日和(笑)。
前回と同じように自家用車で出かけましたが、予約時刻を目指すと朝のラッシュ時に重なるので早めに家を出ました。空いている道を
選んだつもりでしたが、案の定ところどころ渋滞していました。
しかし、約束の時刻の20分前ぐらいにはセンター到着。今回は自己所有の自走式車椅子を持参してきたので、それを家内に押してもらって
建物の中に入りました。

判定日には日時が指定されますが、予約時刻の10分前には受け付けて続きを済ませるように言われていました。今回は予約時刻の
20分前入りなので余裕です。玄関を入って正面にある受付で用件を伝え、備え付けの受付用紙に住所氏名などを記入しました。
そして、ほとんど待つことなく名前を呼ばれ、奥の個室に通されました。本来の予約時刻を待たず、予定より10分も早く判定が始まりました。

担当してくれたのは前回と同じ女性職員であり、理学療法士でもあるNさんでした。
「今回は、速度変更ということですね?」 と切り出され、まずは聞き取り調査の始まりです。
私はカバンから例の交差点の調査報告(?)を取り出して待機しました。緊張感が高まってきます。

Nさんは、文字がぎっしり書き込まれたカルテのような物を見ながら質問を投げかけてきます。前回の聞き取り調査のときに作成した
書類のようです。そのカルテに今回の私の答えを聞きながら、情報を追加していました。
まず聞かれたことは、いまの体調はどうか、体の状態に大きな変化はないか、身長・体重はどうか、家の環境に変化はないか(改造など)、
ヘルパーを新規で使っていないか、通院している病院は変わっていないか、などという基本的なものでした。

そして、いよいよ本題です。
Nさんは「え〜っと、近くの○△通りや○○通りを渡るときに、4.5kmだと不都合があると・・・」と切り出してきました。
「ええ、そうなんです。遅いとなかなか渡りきれなくて・・・」
私は、役所のMさんのアドバイスの通り、「特別な理由を具体的に話す」ために、あらためて頭の中であれこれ整理しました。
ここで認められなかったらすべては水の泡・・・。

聞き取り調査しているNさんは、カルテに色々と書き込むのに忙しい様子で、ちょっと間が空いてしまいました。
そこで、私はさらに説明を加えようと「○△通りのですね、道幅が広いのと・・・」と言いかけましたが、Nさんはそれを遮るように、
「あ、役所のMさんから聞いてますから」とあっさりしたお答え。
私は、それで終わり〜?と少々不安になり、ダメ押しをしておこうと手に持った紙(調査報告)をヒラヒラさせて、
「いちおう交差点名とか書いてきたんですけど〜」と言ってみました。すると、Nさんはちょっと微笑まれ、「ああ、そういうのはいいですよ〜」
とこれまたあっさり・・・。

これでいいのかなぁ、大丈夫かなぁ、という私の不安を見抜いたかのように、Nさんは、
「ご事情は分かりましたので、このあと時速6kmの車椅子に実際に乗っていただいて、操作を見せていただきます。そして判定員が
OKということになればそれで大丈夫ですよ」と優しく声をかけてくれました。

そして、判定員という男性職員が部屋に入ってきて、同じようなことを優しい口調で説明してくれました。
私はこの判定員という男性職員が路上の操作検分に同行するのかなと思いましたが、さにあらず、結局、聞き取り調査してくれたNさんが
付き添ってくれたのでした。

その後、Nさんがセンターの備品を持ってきてくれ、それに乗り移って、いよいよ「路上検定」の始まりです。そこまでで10分と経っていませんでした。
センターの備品(6.0km仕様)は黄色いフレームの派手な車椅子でした。どうやらE社ではない某大手メーカー製のフレームに
YAMAHAの電動ユニットを組み込んだモデルのようでした。電動車椅子に座った私にまず、手元のスイッチでトップスピード(6.0km)に
切り替えるよう指示がありました。指示と言っても「このスイッチを動かすと変わりますよ」と丁寧に教えてくれました。

「外に出てもらって、前回と同じように信号を渡って帰ってきてもらいます」と簡単な説明を受けて出発。
聞き取り調査を受けていた部屋から廊下を出るまでには、幅がギリギリのドアをすり抜けなければなりませんでしたが、ゆっくり動かして
難なくクリア。たしか前回は廊下をず〜っと走って玄関の柱の周りをぐるぐる回ったりしたのですが、今回はいきなりエレベーターに乗り階下に降り、
そのまますぐに外へ出ました。前回と同じく正面側に至るかなり急なのぼり坂がありましたが、前回経験済みだったので緊張することもなく、
一気に登りきりました。そうして、センターの門を目指してトップスピードで走ってみました。同伴していたNさんは小走りといった様子で
付いてきてくれます。同じく付き添っていた家内は、追いかけるのをやめて呑気に歩いているようです。人の歩く速度に比べると、
さすがに6.0kmは速いですが、乗っている本人からすると意外と遅く感じられました。6.0kmを経験すると4.5kmでは確かに物足りなく思うことでしょう。

門を出る直前にNさんの指示が出ました。
門を出て左へ曲がり、歩道の上を120mほど走って信号に至る。交差点を向こう側に渡って歩道沿いに150mほど戻り、また信号を渡って
センターに戻るというコースを通りました。つまり、前回走ったルートのちょうど逆回転の道のりです。経験済みのコースですが、
当日は前回よりも人通りがかなり多く、車椅子に気が付かない歩行者もいたようで、操作にはちょっと気を遣いました。おしゃべりに夢中な
女子高生がぶつかりそうになったりしましたが、危険を予測してゆっくり走っていたので、事なきを得ました。

センターの屋内や路上では安全確保の意味からも敢えてゆっくり走りましたが、センターの敷地内(屋外)の空いた場所ではトップスピードでも
操作できることを見せるかのように飛ばしてみました。やはり速度が速いと気持ちがいいものです。
帰りは建物の正面玄関の自動ドアを入って、廊下を少し走り、元の部屋に到着。自動ドアに突っ込むこともなく無事に完了でしました。
この「路上検定」は時間にして15分ほどだったでしょうか。

すぐに自分の車椅子に戻るやいなや、Nさんは「ちょっと待っててください」と別の部屋に・・・。程なくして例の判定員の男性が部屋に現れていわく。
「いま操作の結果をお聞きしましたが、特に問題なしということで、役所のほうにも連絡しておきます」

やった〜〜。見事クリア〜!
Nさんによる聞き取り調査が始まってから30分ほどですべてが終了していました。

ということで思いもかけず早く終わってしまったので、帰りに役所に寄ることにしました。
ちょうど年度始めで用事もあったし、ついでに色々とお世話になったMさんにも挨拶がてら報告しに行こうと思ったわけです。

さて、勇んで障害福祉課に出向いたのですが・・・。

(注 :内容は一部割愛しています。事前の情報提供や問い合わせなどをしておりますので、上記の内容が判定のすべてではないことを
ご理解ください。また、障害の部位や等級、その他の環境により、判定内容は変わります。)

その 12 2009年4月25日
前回の日記に書きましたとおり、先日、簡易電動車椅子の速度変更(4.5→6.0km仕様)の判定を受け、無事に「適」と認められました。

昨年の8月末に4.5km仕様のもので「適」判定をうけていたものの、その後のトラブルにより、いまだに自分の電動車椅子を所有するに
至っていなかったのですが、「わざわい転じて〜」の諺のごとく、公費の助成を受けて6.0km仕様の電動車椅子を製作できる目処が立ってきました。
ここまでの8ヶ月にわたる道のりは、過去日記を参照いただければ幸いです。

さて、今回のセンターでの「速度変更」の判定はわずか30分ほどで済んでしまったので、私は帰りに役所に寄って、お世話になった
障害福祉課の女性職員Mさんに、お礼がてら報告に伺うことにしました。

役所で用事を済ませ、障害福祉課のカウンター越しにMさんのデスクを見ると、タイミング悪く不在の様子。
「いらっしゃらないのかな〜」とがっかりしていると、すかさず別の女性職員さんが声をかけてきてくれました。
私の自治体の役所はどこの課でも非常に対応がよく、目線も高いので、カウンター越しにうろうろしているだけですぐに声をかけてきてくれます。
さらに障害福祉課はいつも空いていて、これまで待たされた経験もありません。実に快適なサービス環境です。

「あの、Mさんは今日、お休みですか?」と聞きますと、
「Mは異動になったんですけど、どのようなご用件でしょうか?」

え〜〜、異動しちゃったのかぁ〜!
そういえば、4月ですもんね。ちょうど年度替りで動いてしまったんですね。
役所の中では3〜5年ぐらいで様々な部署を異動していくと聞いたことがありますが、私が知っている限りでも4年は障害福祉課に
いらっしゃいました。そろそろ異動になってもおかしくない頃です。それにしても、色々とお世話になっていて、とても信頼を寄せていただけに
残念ではあります。

「今日、センターのほうで電動車椅子の判定を受けてきたのですが、色々とお世話になったので、ちょっとお礼をと思いまして・・・」と私。
「お名前をお伺いしてよろしいでしょうか」とのことでしたので、「(くにゃら)と申します」と伝えました。
そうすると、名前に反応するかのように、横のカウンタで接客(?)していた男性職員さんが私のほうを向いて、
「(くにゃら)さん、センターのほうから電話がありましたよ。こちらはこの先、見積書が必要になるので、時速6kmで見積を作ってもらってください」
などと切り出し、私の質問や確認などにも丁寧に答えてくださいました。

私は、センターからすでに電話連絡があったという迅速な動き、そして、カウンタで他の仕事をしながらでも私の会話に耳を傾けて
反応してくれたことなどのサービスの迅速さにちょっと感動しました。
もう一つ、帰りの駐車場で警備員さんが、車椅子から降りようとした私の足を抱えてくれようともしたことも付け加えておきます。
いつも気持ちよく利用できる役所です。こういう雰囲気って、自治体の長の指導の賜物なのでしょうか。それとも事務方のトップの影響?

それはさておき、今回は前回発行されたような「処方内訳」なしで、時速6.0km仕様の見積書を業者に依頼してよいことになりました。
そうなると、役所からの書類を待つことなしにアクションを起こせばよいことになります。まだメーカーなども決まっていない私はちょっと
焦りましたが、先の男性職員Oさんが、「急がなくていいですよ。じっくり選んでくださればけっこうですから」とおっしゃってくださり、
安心して帰ってきました。

自宅に戻ってしばらくした頃、役所で話をしたOさんから電話がありました。この男性職員OさんがMさんの後任として担当してくださるようです。
「見積書の件ですが、(異動になった)Mから引き継いだ書類を見たら、もう出してもらっているようですね」とのこと。
例のE社が「あと出し」したものが届いているようです。
私は慌てて、「ああ、それはちょっと事情がありまして、ホールドにして置いてください。業者さんを変えるかもしれないので」と伝えました。
E社から提出された見積書には時速が記入されていないことも分かり、「それでしたら、新しい見積書には時速6kmと入れてもらってくださいね」
とも言われました。

私んとこの役所の対応ぶりはまさに打てば響くほど速いのに、それに比べて業者さんのタイムラグは何でしょう・・・?

ところで、Mさんの異動先を教えてもらいましたが、一見、障害とも福祉とも関係のないような部署でしたが、よく考えると仕事内容によっては
どちらにも関わりがあるようにも思えるところです。まだお若いので、色んな経験を積んで偉い人になってもらいたいものです。
この車椅子の件が落ち着いてきたら、お礼の手紙でも書いておこうと思っています。


さて、これからはいよいよメーカーやモデルの選定です。
昨年の手続きの流れの中でE社と決めたのですが、少々トラブルがあったので、現在はE社と連絡を保ちながら、他の2社にもアプローチ中です。
今週に入って少し動きが出てきましたので、次回は、メーカーの営業さんのお話などを交えながら、電動車椅子の選定について書きたいと思います。

その 13 2009年5月7日
公費の一部助成を受けて、簡易電動車椅子を作るということで手続きを進めているのですが、
時速6.0km仕様の「「適」判定を受けたものの、肝心のメーカーやモデル選定に手間取っているうちに、
いつの間にかゴールデンウィークに突入してしまいました。

今日は、前回の日記を書いた時点でのメーカー各社営業さんから得た情報と、それを基にさらに調べた情報などを交えて、
簡易電動車椅子の選び方について書いてみたいと思います。

まずは、メーカーおよびモデル選定にあたって、私自身が想定する電動車椅子の使用環境や希望する条件などを整理してみましょう。

<想定される使用環境>
・自宅内では使用せず、屋外での使用が中心となる。

1)自宅周辺 (舗装された一般的な市街地)。
2)自家用車の荷室に積載して外出し、目的地の最寄の駐車場から周辺区域、または外出先施設内
 (ex.役所、業務先、美術館、ショッピングモール、アミューズメント施設)。
3)電車など公共交通機関を利用しての外出。
4)旅行(国内・海外)。

<希望条件>
・屋外での使用に耐える快適な乗り心地および剛性。
・車載のため、可能な限り本体自重が軽いこと。
・車載のため、背もたれ折りたたみ式希望。
・耐荷重は、体重+手荷物を考えると100kgは必要か。
・電動ユニットは、最高速度6.0kmで、かつ段階的に速度変更設定ができるもの。
・操作部は、標準スティックタイプのもので、左手でのコントロール。
・バッテリは、リチウムイオンとニッケル水素で迷っている。

ポイントは以上のようになりました。
さて、これを満足する車椅子とはどのような選択になるのでしょうか?

過去の日記ではメーカー名などは極力伏せて書き進めてきましたが、ここからは情報の正確さを期するためにあえて
メーカーなどを明記することにいたします。ただ、あくまで私の身体や障害、生活の状況、および使用環境に合わせての話ですので、
参考程度に留めておいていただければと思います。

ではまず、車椅子メーカー大手の「株式会社ミキ FORCE事業部」の営業さんからお聞きしたお話を紹介します。

同社の製品の中で、簡易電動ユニットを組み込む前提とされているモデルは、
「JWX-1M」
「JWX NOVAIII」
「GF DP」
の3機種になるそうです。
このうち、「GF DP」はティルトリクライニング車なので、私の用途から外れます。
また「NOVA III」は、キャスター(前輪)のサイズが一番大きな物でも5インチであり、主に屋外での使用を想定している私にとっては
不向きであると言うのです。

結果として、消去法で「JWX-1M」が残ることになります。このモデルのキャスターサイズは6インチであり、屋外向きであるとのこと。
全体のサイズも、私がいま所有している手動式の車椅子とほぼ同程度のようです。

ということで、ミキの製品の中では「JWX-1M」という選択になるわけですが、ここでもう一つ注意しなければならないことがあるそうです。
このモデルには電動ユニットとしてYAMAHA発動機製の「JWX-1」というシステムが装着されるのですが、時速6.0km仕様のユニットについては、
メーカー仕様として7インチのショックレスキャスターを使用しないとメーカー保証の対象外となるとのこと。
で、7インチのキャスターは車椅子メーカーの「(株)ミキ」では扱っていないので、販売店でのオプションとなるとのことでした。
メーカーではなく販売店オプションだなんて、なんだか自家用車の購入みたいですね〜。

さらに後輪のサイズについてですが、大人用の車椅子では20、22、24インチの3種類があり、かなり長身である私のようなユーザーは
24インチを使用する例が多いようです。
また、タイヤもいくつか種類がありますが、クッション性を考えると空気入りの通常タイヤが良いのではないかと勧められました。

車椅子の自重についてですが、電動車椅子としての強度を考えた場合、フレームなどを削るのは限界があるということで、
重量はある程度犠牲にしなければならないようです。ミキの「JWX-1M」の重量は29kgあるとのことで、ちょっと厳しいですね〜。

それと私がコンタクトを取ったミキの担当者はあくまでメーカの窓口であり、個人向けには販売業務を行っていないとのことで、
役所に提出する「見積書」も販売店に作成を依頼してほしいとのことでした。もちろん、地域担当の販売店の窓口も紹介してもらえました。

さて、次に同じく大手車椅子メーカーの日進医療器(ニッシン)の地域担当営業さんからお聞きした話を紹介します。

ニッシンの製品の中で電動ユニットを組み込むとしたら、「iS(アイエス)」というモデルを勧められました。

キャスター(前輪)については、やはり屋外使用中心ならば6〜7インチを使うべきとのこと。ただ、YAMAHA製ユニット(6.0km仕様)が
7インチのショックレスキャスターを必須としているという話は出てきませんでした。また、ニッシンのカタログによると、「iS」の標準キャスターは
6インチまでとなっているので、もしかしたら7インチはオプションとなるのかもしれません。

後輪のサイズについては、自分で漕ぐことを考えるのならば24インチのような大きいほうがラクだが、そうでなければコンパクト性も考慮して
22インチで十分だというのです。車椅子じたいの自重はせいぜい400gぐらいの差でしかないが、車載するときを考えると22インチの小さいほうが
有利だし、22インチのほうが小回りも利くとのことでした。

また、肝心の電動ユニットの選択についてですが、YAMAHA発動機、アイシン精機、イマセンという代表的なメーカーのうち、
オススメは圧倒的にYAMAHAだそうです。
歴史も技術力もあるし、何よりリコールなどの対応ぶりが早いということです。また、私としては裏が取れていない情報で恐縮なのですが、
アイシンはリチウムイオンバッテリを廃止する方向だとおっしゃっていました。リチウムイオンはこれから主流になっていくと思うのですが、
何かあったのでしょうか?

バッテリについては、案の定、リチウムイオンのほうをイチオシされていました。1回充電での走行可能距離が従来(ニッケル水素)の倍など
メリットが大きいそうです。
ただリチウムイオン・タイプにすると7万円ほどのアップになります。(私の場合、バッテリ部分が公費助成の対象外となるため、
この部分で10万円ほどの持ち出しとなる見込み。)

それと、ニッシンのほうは、この地域担当営業で「見積書」も作っていただけるとのことでした。

3つ目の候補メーカー、OXエンジニアリングですが、同社からは先日6.0km仕様のもので公費支給申請用の「見積書」を入手しました。
先にいただいていた4.5km仕様のものに比べて、電動ユニットの部分で僅かに金額がアップしていただけでした。

このメーカーの6.0km仕様モデルはYZ-Eになり、これにYAMAHA製の電動ユニットを組み込む形です。価格は高めなのですが、
カタログを見ているとほぼフルカスタムメイドになっており、悔しいですが(笑)、さすがに魅力的なオプションラインナップです。
キャスターも見るからにしっかりしており、逞しいこと!
以前、OXショールームの店長の話では、やはりリチウムイオン・バッテリをオススメされていました。言うまでもなく、
スペック的には文句ないのですけどね〜。

ここで話を少し整理しますと、私が作ろうとしている簡易電動車椅子は、一見すると普通の自走式車椅子なのですが、それに自動で
動かすことのできる
電動ユニットを組み込んだタイプのものです。

で、選択肢としては、フレームは次の3社のいずれかのうち一つ。

<フレーム(本体)>・・・メーカー(モデル)
・ミキ(JWX-1M)
・ニッシン(iS)
・OXエンジニアリング(YZ-E)

そして、それに組み込む電動ユニットは、次のいずれかのうち一つ。

<電動ユニット>
・YAMAHA発動機製
・アイシン精機製
・イマセン製

上記の組み合わせから選択するということになるのですが、実際には、上に書いた各メーカーのフレームはすべてYAMAHA製のユニットを
装着しますので、メーカーを決めればモデルも決まり、そして自動的に電動ユニットも決まるということになります。

それと、電動ユニットについて自分で調べた補足情報ですが、YAMAHA、アイシン、イマセンの3つの電動ユニットメーカーのうち、
充電器の電源仕様が「100〜240V」のマルチタイプになっているのがYAMAHAだけなのですよね。
つまり、海外の電圧でもアダプタを付けるだけで充電可能なのはYAMAHA製のユニットだけなんです。
これだけでもYAMAHAを選択する意味が出てきました。この先、海外に出たときにも使いたいので、コレは必須条件です。

というわけで、かなり煮詰まってきました。

ここで以上のことを考慮に入れて、私の車椅子の仕様をまとめてみます。

・電動ユニット:YAMAHA発動機製 (時速6.0km仕様) 
        手動兼用型(電磁ブレーキおよび転倒防止装置含む)
・バッテリ  :リチウムイオン タイプ
・充電器電源 :100〜240V仕様
・キャスター :7インチ (屋外用ショックレスキャスター等)
・後輪     :22インチ (空気入り通常タイヤ、またはそれに準ずるもの)
・リム    :滑り止めハンドリム
・背もたれ  :折りたたみ式
・クッション :処方どおり

こうして考えてくると、メーカーもモデルも選択の余地が意外と狭いことが分かります。

現時点での具体的な選択肢としては、
・ニッシン 「iS」 +YAMAHA電動ユニット
・オーエックス 「YZ-E」 +YAMAHA電動ユニット
のどちらかということになりそうです。

で、私の使用環境や条件にふさわしい仕様やオプションなどの具体的な提案を、各メーカーの営業担当者に求めてみることにしました。

その 14 2009年6月12日
さて、「電動車椅子を作ろう〜その13」からの続きです。
公費の一部助成を受けて、簡易型電動車椅子を作るということで手続きを進めており、昨年8月からの道のりを日記にまとめておりますが、
いよいよ最終段階に入ってきました。

メーカーおよびモデルの選定ですが、GWを迎えるころには概ね次の2社に絞り込んでいました。

・ニッシン 「iS」 +YAMAHA電動ユニット
・オーエックス 「YZ-E」 +YAMAHA電動ユニット

役所からの公費助成額は、業者の見積り金額に対して一定の割合で支給されます。結果的に実際に要した金額がいくらになろうとも、
支給金額はあくまで最初に提示した業者の見積り金額が基準となるのです。
では、最初の業者見積り金額をできるだけ高いものにしておけばよいかと言うとさにあらず、
役所に提出する見積書(=身体障害者自立支援法に伴う舗装具の支給申請に使用する見積書)の作成の際には、
各ユニットやパーツについて「基準額」というものが定められているようです。
なので、この見積書についてはどこの業者に依頼しても金額的な差異はないというのが原則です。

以下に私が調査した基準額の一部を記しておきます。
なお、自治体や福祉事務所などにより判断が異なる可能性がありますので、あくまで参考に留めてください。

・車椅子本体(普通型)  100,000円
・手動兼用型電動装置   165,000円
・クッション(多層構造)   10,000円
・バッテリ(ニッケル水素)  54,000円
・外部充電器        25,000円
・電磁ブレーキ       25,000円
・屋外用キャスター  15,000円

(そのほか略)

公費支給申請用の見積書を業者に依頼すると、だいたいこのような項目と金額を連ねた見積書が届き、それを役所の福祉事務所に送付して、
「支給決定通知書」を待つことになります。
今回、私はニッシンとオーエックスの両社に見積りを依頼してみましたが、届いた公費申請用の見積書の金額は「ほぼ」同じでした。
ん?同じになるべきはずのものが微妙に違うのはどうして??

何が違っているのかよく見ると、オーエックスの見積書には、判定で処方に記入されていた「背もたれ折りたたみ」が省略されているのと、
受託報酬額という項目の料率の設定がわずかに異なっていて、総額でニッシンの見積書のほうがほんの少しですが高くなっていました。
料率はさておき、処方の一項目が落ちているのはちと面白くありません。

また、ニッシンの営業担当者Sさんからは何度も電話をいただいていたことや、見積書の郵送時にご丁寧な手紙が入っていたことなどもあって、
ニッシンに対してかなりの好印象を得ました。
さらには、公費支給申請にあたっての貴重なアドバイスなどもしていただき、それが決め手のひとつとなって、
私の車椅子は「ニッシン」(日進医療器株式会社)と決まりました。
そうして、私はニッシンに作成していただいた見積書を役所に送付して、「支給決定通知書」を待つことになりました。

メーカー選定にあたって気になっていたことは、実際に製作したときに掛かる費用がいくらになって、自己負担金はどの程度になるかということです。
先に書いたように、公費からの助成はあくまで最初の基準見積り金額に基づいて算出されます。その時点で「自己負担額」も提示されるのですが、
それは車椅子を基準額どおりに作ったことが前提です。しかし、この公費の基準額というのは、必要最低限のクオリティや装備品などしか
想定していないので、実際に作るとなると仕様やオプション追加などでかなり高額な金額になってきます。足が出た分も当然のように
自己負担になるので、実際の自己負担総額は大きな金額になってきます。

そのことが気になって、私は公費支給申請用の見積りとは別に、私の希望条件に合わせた「現実的な見積り」も両社にお願いしてみました。
事前にコミュなどで情報収集して覚悟はしていたのですが、オーエックスから届いた見積りを見てビックリ〜。「70万円」を超えていました。
公費支給申請用の見積り金額を大きく超えているのはもちろんですが、私の予想も大幅に超えていたのです。オーエックスは高いと
話題になっていますが、これほどとは〜。
試乗でお借りしただけでもクオリティや使い勝手を実感していたのですが、やはり価格もそれなりのものはあります。

一方、ニッシンからの「現実的な見積り」はというと、これも公費用の見積り金額とはかけ離れていましたが、オーエックスのものよりはいくらか
リーズナブルなものでした。
このこともニッシンに決めた理由と言えるでしょう。

昨年末にオーエックスから「支給決定通知書の発行まで1〜2ヶ月かかる」と聞いていたのですが、今回申請した書類については実にあっけなく、
約2週間で送られてきました!

メーカーも決まり、役所の「支給決定通知書」も入手できたとなると、次はいよいよオーダーに向けての具体的な話をメーカー(業者)と
進めることになります。
その 15 2009年6月12日
胃腸の調子がまた悪くなってきたので、昨日から禁酒を始めました。
春先に一ヶ月ほど禁酒していて、調子が良くなったので、また飲み始めていたんですよね〜。お酒が飲めなくなるとは情けない話です。

さて、いよいよ佳境に入ってきたと思われる「電動車椅子を作ろう」シリーズの続き「その15」です。
昨夜に引き続き連投となります。
公費の一部助成を受けて、簡易型電動車椅子を作ろうと思い立ったのが昨年8月〜。数々の紆余曲折を得て、このたびようやく役所から
「支給決定通知書」を入手するところまでこぎつけました。
最後まで迷ったのが次の2社2モデル(時速6.0km仕様)。

・ニッシン 「iS」 +YAMAHA電動ユニット
・オーエックス 「YZ-E」 +YAMAHA電動ユニット

そして、結局ニッシンに決め、役所に公費支給申請したところ、郵送から約2週間ほどで「支給決定通知書」が送られてきたのでした。
昨年、オーエックスの担当者からは「約1〜2ヶ月はかかる」と言われていただけに、拍子抜けするほどの早さでした。
しかも、役所に送付した数日後に役所から確認のお電話までいただきました。いわく、「業者はオーエックスからニッシンに変更されるのですか?」

オーエックスが提出しているはずの見積書(4.5km仕様の分)が出ていないことが3月に判明した後、オーエックスから
4〜5ヶ月ぶりに(?)「見積書」が届けられたのです。そのことは4月に役所の窓口を訪問した際に知っていたのですが、
「業者を変えるかもしれないので」ということで、ホールド(保留)にしてもらっていました。
このたびメーカー(業者)もニッシンに正式に決めたので、電話では「ニッシンさんで進めてください」とお願いしました。

さて、役所から届いた書類の正式名称は「補装具費支給決定通知書」といいます。
身体障害者自立支援法に基づく補装具費の支給申請に対する回答(決定通知)というわけです。
自治体によって違いがあるかもしれませんが、私が受けとった通知書には次のような項目の記載がありました。

・住所/氏名
・生年月日
・性別
・支給番号
・支給決定日
・決定内容 :電動車いす手動兼用型
・補装具業者 名称/住所/電話:日進医療器株式会社(以下略)
・基準額
・見積額 (←私の場合は基準額と同額)
・利用者負担額
・公費負担額 (←=見積額−利用者負担額)

また、この「決定通知書」とともに、次のような書類が同封されていました。

1)補装具費支給券(有効期限付き)
  記名・押印して業者に渡すもの。
2)代理受領に係る補装具費支払請求書兼委任状
  車椅子受領および利用者負担額支払い後に、役所宛に補装具費の支払いを請求し、かつその受領権限を業者に委任するもの。
3)請求書兼委任状の記入例
  書き方見本
4)車いす・電動車いす適合報告書(評価チェックシート付き)
  完成した車椅子が処方どおりのものであるかどうかを第3者に適合判定してもらうもの。
5)補装具費の再支給について
  今回支給された補装具の再支給申請についてのお知らせ

当初、これら書類一式が届くのは7月ごろかなぁと呑気に構えていた私は、思いがけず早い展開に少々焦りました〜。
早いということはいいことなのですが、なぜかまだ心の準備ができておらず、ニッシンの営業担当Sさんに連絡することなく2日が過ぎてしまいました。
すると、2日後にSさんのほうから電話があったのです。
「決定通知が出ているようなので、いちど打ち合わせにお伺いしたいのですが〜」
どうやら、役所から業者のほうへも通知が届いているようなのですね。いやはや、こちらも迅速な対応で恐れ入りました。

というわけで、ニッシンの地区営業担当Sさんを自宅に迎えることとなりました。
来訪に際して、「デモ車も持って行きますヨ」ということでしたので、楽しみにしておりました。

次回の日記では、いよいよ営業担当者との打ち合わせの場面を紹介いたします。
その 16 2009年6月14日
「その15」からの続きです。
ちょっと気力が充実してきましたので、連投いたします(笑)。

公費の一部助成を受けて簡易型電動車椅子を作ろうという試みもいよいよ最終段階、業者さんを自宅に呼んでの採寸、オーダーという
ステージに入りました。

ニッシン(日進医療器株式会社)の営業担当Sさんの来訪アポの日は、あいにく朝から雨模様でした。
せっかくデモ車を持ってきてくれるというのに運のない話です。

しかし、Sさんがうちにやってきたときには、先ほどまで土砂降りだった雨もぴたりと止んでいました。
Sさんとはこれまで電話で何度も話をしていましたが、実際にお会いするのはその日が初めて。Sさんは口ひげを少し蓄えたダンディな紳士でした。
玄関先で私を見るなり、「デモ車、持ってきたので、ちょっと乗ってみますか?」と声をかけてくださり、早速うちの玄関前の駐車スペースで
デモ車を体験することになりました。

デモ車は、いわゆる「iS 電動オプショナル仕様」と呼ばれているものでした。ニッシン車椅子の中で代表的存在である「iS(アイエス)」という
モデルのフレームに、ヤマハ発動機の電動ユニットをつけたもので、デモ車には6.0km仕様のユニットが装着されており、
車輪サイズは後輪:24インチ、前輪キャスタ:6インチでした。

<ニッシン公式サイト>
http://www.wheel-chair.jp/ele.php
(電動車椅子のページ)

カタログでは穴の開くほど見ていたのですが、実際に見るのは初めてで、もちろん乗るのも初めて。
実際に腰をかけてみると、全体的にがっしりした感じが体に伝わってきます。背もたれも薄っぺらなものではなく、がっちりと
体をホールドしてくれる印象です。アームレスト(肘掛)やフットレスト(足台)の形状などはオーエックスの車椅子とは微妙にデザインが
異なっていますが、ニッシン製の車椅子もとても上質なできばえだと思いました。

実際に走らせてみると、その出来のよさがいっそう実感できました。荒地を走ってみたわけではないので、悪路走行の細かいインプレッションは
書けませんが、通常の街乗りにおいては剛性の点もまったく問題なく、豪快でかつ安定した走りを見せてくれました。

では、「iS 電動オプショナル仕様」の細部を紹介してみましょう。

<アームレスト>
まず、アームレスト(肘掛)の高さが段階的に調節できるアジャスタブル仕様になっています。この高さは一度決めてしまえば変更することは
あまりないと思われたのですが、たとえばクッションの厚みによって適切な高さに調整することもできるので、あればあったで便利そうです。

もちろん、オーダー時に「固定」とすることもできるそうで、「固定仕様」とした場合、車椅子の自重が少し軽くなるとのことでした。

<フットレスト>
フットレスト(足を置く台)は左右に跳ね上げ式になっていて、また前後の位置調整もできるようになっています。
さらに、フットレッグサポート(フットレストが付いているフレーム部分)が、簡単なレバー操作だけで左右に開閉でき、さらには着脱もできるように
なっています。この仕様は、車載をするために少しでも軽量化を考えている私にとって、ありがたい配慮と言えます。外したフレームを持ってみると、
片側だけで1kgぐらいはありそうでした。

このようにフットレストには稼働部位が多いのですが、ガタつくこともまったくなく、固定式の車椅子と比べてなんら遜色はありません。

もうひとつ一般的な車椅子との違いは、フットレストに足を載せたときにふくらはぎを支えるベルトの取り付け方です。
普通の車椅子では、左右のアームを結ぶように幅広のベルトが一本取り付けられていますが、「iS」の場合は、フットレッグサポートのフレームが
左右別々に開閉・着脱できる仕様になっていることもあり、左右それぞれのフットレストに独立してベルトが付いており、ふくらはぎの外側から
内側のかかとを斜めに支えるような感じにアレンジされています。
これはこれで機能的にはまったく問題ないのですが、私の場合、自分の足を腕で抱えて台に載せたときにベルトを踏んでしまう傾向にあって、
少し面倒にも感じました。
サポート感はまったく問題なく、きっちりフィットしていました。

<自走用操作部>
手元で電動車椅子を操作するコントローラ(操作部)は、標準タイプのジョイスティック型のものが右側のアームレスト先端に取り付けられていました。

この部分はヤマハの電動ユニットのパーツなので、コントローラ自体の使い勝手やスイッチの配置などは、私が以前試乗したことのある
オーエックスのものと同じでした。

ただ、オーエックスに装着されていたものはパイプ状のアームレストの先端に差し込むタイプ(アームレスト取付式)だったのに対して、「iS」のは
簡単には取り外せないようになっているようでした。でも、テーブルに近づくときなどは外側にスイングアウト(折りたたみ)することができるように
なっているので、いろいろなシーンで活用できそうです。
(注:オーエックスの場合、コントローラの取付タイプは「フレーム取付式」が標準仕様で、「アームレスト取付式」はオプションとなります。)
コントローラ部は樹脂製なので強度の点がちょっと気になりましたが、この部分は電動ユニットメーカーであるヤマハの製品なので、
車椅子フレームとは関係ありません。
その 17 2009年6月14日
「その16」からの続きです。
このところ連投してますので、ちょいと前のも目を通してみてください(笑)。

簡易型電動車椅子を作ることにした私は、思い立ったときから約10ヶ月を経てようやく業者さんとオーダーに向けての具体的な話ができる
段階にこぎつけました。

ニッシン(日進医療器株式会社)の営業担当Sさんは、第一候補の「iS 電動オプショナル仕様」のデモ車を携えて来訪してくれました。

前回の日記で、そのモデルの細部についてのインプレッションを紹介しておりますが、今回はその続きです。

<後輪(駆動輪)>
ヤマハの電動ユニットは後輪の車軸に電動ドライブが取り付けられており、後輪を直接駆動させる方式です。
デモ車の後輪には24インチの一般的なエアー式タイヤが装着されていました。

私は車載することを考えて、少しでも小型軽量のほうがよいと22インチを希望していたのですが、一見しただけでは22インチとの差は
分かりませんでした。私がいま所有している自走式の車椅子は22インチなのですが、22インチ車椅子ユーザーの私が乗っても、
違いはあまり実感できません。私の自家用車の荷台に格納できるかどうかという検分もしましたが、サイズ的には24インチでもまったく
問題はありませんでした。

以前情報収集したところによると、大きいほう(24インチ)だと自分で漕ぐのがラクになるが、取り回しは小さいほう(22インチ)に
劣るとのことでしたが、結局どちらでもいいという気分になりました(笑)。

なお、「半年か一年もすればタイヤはツルツルになってくるので、交換したほうがいいですよ〜」とSさんはおっしゃっていました。
「そんなに使うこともないですから〜」と言うと、「最初は皆さん、そうおっしゃるんですよ。(車椅子ができたら)ガンガン乗るようになりますよ!」
そうなるといいですね。楽しみです。
ちなみに、私の場合、消耗したタイヤの交換は修理対応で公費負担を申請できるとのことでした。


<前輪(キャスタホイール)>
デモ車には6インチのクッションキャスタが装着されていました。一見すると特徴のない外見ですが、最高の仕上がりと乗り心地を
提供してくれるニッシン渾身の製品だそうです。

私のように主に屋外での使用を想定している場合は、前輪キャスタのサイズは6インチ以上が必須とのことでした。
また、段差を越える場合の高さの目安としては、「キャスタ直径の4分の一」よりもちょい低めまでが限界となるとおっしゃっていました。
なので、単純に言えば大きければ大きいほど段差越えがラクになるわけです。
しかし、フットレストとの干渉の心配や後輪とのバランスもあるので、実際には7インチが最大となります。
「iS」の標準装備としては、4・5・6インチから選べるようになっています。

この標準仕様キャスタ+フォークでも十分な性能があるのですが、オプションとしてさらに快適なクッション性を提供してくれる
キャスタフォーク(車輪をホールドするフレーム・クッション)が2種類あるとのこと。

そのひとつ、「ポルテ」というフォークは極上の乗り心地だそうですが、逆に柔らかすぎるという声もあるほど。もう少し硬めの設定が
欲しいユーザーには、「スポーツポルテ」というフォークがお勧めだとのこと。ただ、お値段が少し張るのと、重量も重くなるようです。
なお、「iS」用として用意されている「ポルテ」のサイズは5インチ、「スポーツポルテ」は4インチになります。

キャスタ絡みなのでここに書きますが、車椅子を自家用車の荷台に載せるときのコツもアドバイスしてもらいました。
電動車椅子は簡易型とはいえ自重が25〜30kgほどあり、成人男性でも軽々とは運べません。
電動車椅子を自家用車に載せて移動先で使おうとする場合、車椅子の上げ下ろしが大きなネックになってきます。

そこで教えていただいた車載のコツ・・・。
荷台に載せるとき、車椅子を荷台に向けてから後ろに大きく倒すようにして、前輪キャスターを荷台に引っ掛け、テコの原理を応用して
持ち上げるようにするといいですよと言われました。

実はこの方法は以前マイミクさんに教えてもらって、手持ちの手動式車椅子で試してみたことがあるのですが、うちの車(ステーションワゴン)
の荷台が意外と高くてうまくいかなかった経験があります。でも、今回実演して見せてもらうと、うまくできているのです。
サイズの違いかなぁと思ってよく見ていると、後輪の後ろについている転倒防止装置を利用して高さを稼いでいることが分かりました。

ただ、キャスタを荷台に当てて持ち上げるときに、キャスタがちょっとゴロゴロして安定させにくいので、少し慣れが必要です。
それと一瞬ですが、転倒防止装置の小さな車輪2つに車椅子の全自重がかかるので、大丈夫なのかなぁと心配になりました。
まぁ、よく考えてみると、人間が乗車した状態で後方に転倒することを防止する装置なので、耐過重もかなりの重さがあるはず。
だから大丈夫ですよね〜。

約3.5kgあるリチウムイオン・バッテリと2kgほどあるフットレッグサポートを外してこの方法を利用すれば、車載するのにも大きな助けと思われます。心配していた問題が解消しそうでうれしくなりました。

<背もたれ>
介助用のグリップが標準装備で付いていて、背もたれも折りたたみ式になっています。
デモ車には、グリップの部分に介助用のコントローラが付いていましたが、これはオプションになります。

狭いスペースに車載する私にとって、背もたれ折りたたみ式は必須事項であり、先の判定でも処方に載せてもらっています。
「iS」は背もたれ折りたたみ式が標準仕様なのですが、バックサポートのフィット感やクッション性を損ねることもなく、
上々の仕上がりとなっていました。

<サイドガード>
腰部の両側にある強化樹脂製のガードですが、後輪のカーブに合わせたデザインなので、特に目立つこともなく、また邪魔になることもありません。

オーエックスのYZ-EやGW-Eなどのデザインは直線的なカットになっているので、このあたりは好みの分かれるところでしょう。
色は黒一色で、サイドに「NISSIN」のロゴが地味に入っています(笑)。

<フレームカラー>
標準仕様は、「ブルー」と「レッド」の2種類ですが、オプションで20種類以上の中から選ぶこともできます。しかし、
カラー変更だけで2〜3万円アップします。
デモ車は「ブルー」でしたが、それでも十分きれいな色でした。

ちょっとインプレが長くなってしまいました。
以上、ヤマハの電動ユニット部分はさておき、ニッシンの「iS」フレームを中心に紹介いたしました。

次はいよいよ自分用の車椅子製作に向けての具体的な話に入ります。

(つづく)
2009.06.17 17:25 一部修正

その 18 2009年6月14日
「その17」からの続きです。
このところ連日たびたびの連投ですみません。
お楽しみいただければ幸いです。

さて、公費の一部助成を得て簡易型電動車椅子を作ることにした私は、メーカーをニッシン(日進医療器株式会社)と決め、
モデルも「iS 電動オプショナル仕様」をベースとすることになり、デモ車を携えて来訪してくれた営業担当Sさんと、オーダーに向けての
具体的な話に入りました。

一通りの説明を受けたあと、まずは車椅子に座ったまま、採寸してもらうことになりました。
主な採寸チェックポイントは次の寸法です。

・座幅
・座奥行き
・前座高
・肘掛高
・背シート高

Sさんは採寸しながら、センチ単位で「どうしますか」と聞いてくれます。
私は大柄なほうではありますが、どこの寸法ももだいたい標準とされている寸法でまかなえそうでしたので、あまり寸法には
凝らないことにしました。家を建てるときも家具をオーダーするときも、あまりに寸法に細かいこだわりをしたために却って使い勝手を
悪くしてしまう場合があるので、そのあたりはバランスよく設定されたスタンダードサイズで行こうと思ったわけです。
採寸が終わってから、私の部屋に場所を移し、さらに細かい打ち合わせを続けました。


ところで、電動ユニットのメーカーであるヤマハ発動機は、ユニットを単体でも販売していますが、ユニットを装着した
電動車椅子「JWアクティブ」も併せて販売しています。

<ヤマハ発動機製品サイト>
http://www.yamaha-motor.jp/wheelchair/complete/active/spec/index.html
(JWアクティブのページ)

この「JWアクティブ」は評判もよく、簡易型電動車椅子の普及に大いに貢献してるモデルですが、実はこの車椅子のフレームは、
ニッシンの「iS」だということを、私はSさんから初めて聞きました。つまり、ヤマハの「JWアクティブ」のフレームはニッシンのOEMだということです。

ヤマハの電動ユニットの性能を最大限に生かすべく、「iS」ともどもベストチューニングされ、相乗効果によって質を高められた簡易型電動車椅子
としての完成形を見せられた思いがしました。「ヤマハ電動ユニット」と「iS」はまさにベストマッチング〜、ということになりますかね。

ちなみに、「JWアクティブ」の後輪は22、24インチの2種類から選べますが、前輪キャスタは「iS」の標準とは違って、
7インチのものが標準装備だそうです。この点、サイトのスペック表には載っておらず、前から知りたいと思っていた情報でした。

ニッシンのカタログにも、この「JWアクティブ(Sタイプ)」と「iS 電動オプショナル仕様」とが仲良く隣り合わせで並んで掲載されています。
写真で見る限りでは、前輪キャスタが違うのと、色が異なっているので別モデルのように見えたのですが、よく見ると、髪形やほくろの
位置がちょっと違うだけの双子の兄弟姉妹でした(笑)。

話を整理すると、「iS 電動オプショナル仕様」とは、手動自走式車椅子のニッシンオリジナルモデル「iS」のフレームに、ヤマハ発動機製の
電動ユニットを装着したもの。
「電動オプショナル」というのは「iSフレームに電動ユニットを組み込んだもの」という意味合いです。
そして、このモデルはさまざまなオプション装着やフレームカラー選択も可能で、また一定の範囲内で各部位のサイズ変更もセミオーダー対応
できるとのことです。

一方、ヤマハ・ブランドで販売されている「JWアクティブ」は、ニッシンの「iS 電動オプショナル仕様」を標準サイズのフレームで
既製品化したものと言えます(キャスタサイズは異なりますが)。なので、標準サイズでOKならば、そのまま購入するだけで
「iS 電動オプショナル仕様」ユーザーとなれるわけですね。

ちなみに私が現在所有している「フランスベッド・メディカル」の車椅子も、ニッシンのOEM製品だと言われました。ニッシン・ブランド
だけでなく、あちこちに広く深く浸透しているんですね〜。恐れ入りました。


話が脱線しましたが、次回の日記では、Sさんとの相談の結果、決定した私の車椅子のオーダー内容について紹介いたします。
その 19 2009年6月14日
「その18」からの続きです。


簡易型電動車椅子を作ることにしたものの、これまでの道のりは紆余曲折あり、色々と大変でした。
しかし、あと一息、がんばります〜。

このところ連投続きで、読むほうも大変だとお察ししますが、最後までしっかりついてきてくださいネ(笑)。

さて、前回の日記で話がちょっと脱線しました。
採寸も終え、各部位の寸法も決まりました。キャスタの位置や角度などは完成してから微調整が利くそうです。

それでは私の車椅子のオーダー内容を紹介しましょう。

<フレームカラー>
20種類以上のバリエーションの中から選べるのですが、オプションカラーにすると2〜3万円のアップになります。
特にお金をかけるところでもないと思われたし、標準色(ブルーorレッド)でもけっこうきれいな色なので、ブルーの標準色にしました。

ちなみに、後輪の真ん中にある電動ユニットのドライブ部分もフレーム標準色のブルーと同じような色をしており、全体にブルー一色の
統一感があってお洒落かなと思いました。

<前輪キャスタ>
サイズは6インチと7インチで迷いました。
「iS」の標準装備の最大径は6インチなのに対し、先に紹介したヤマハ・ブランドの「JWアクティブ」には7インチが標準装備になっています。
厳密に言えば、7インチのほうが段差越えには若干有利ということになりますが、このあたりも微妙に取り回しや
自重にかかわってくるので判断は難しいところです。
結局、可能であれば7インチ、全体の寸法と後輪とのバランスを考慮して6インチがベストマッチングということになれば
6インチとしてもらえるよう、お任せすることになりました。

また、キャスタ・フォークをメインフレームに直接溶接すると若干自重が軽くなるという話もされましたが、微調整ができなくなるということで、れも標準仕様に落ち着きました。

極上の乗り心地というキャスタフォークの「ポルテ」は、少々お高いのと、自重が重くなること、そして、6インチ以上が用意されていないことなどの理由で採用しませんでした。

<後輪>
サイズは基本的には22インチにすることにしましたが、座面の角度などに影響するパーツなので、採寸した各部位の寸法と
前輪キャスタサイズとのバランスしだいで、24インチになるかもしれないということでした。でも、先に紹介したように、そのころにはどちらの
サイズでもよいという気になっていたので、特にこだわりはありません。

タイヤは、屋外使用でのクッション性を考慮して、一般的なエアー式としました。
またタイヤはけっこう消耗が激しいので、長くても1年に一回ぐらいは交換することになるでしょうとのことでした。
なお、私の場合は、修理対応で公費負担を申請できるというお話でした。交換する場合は、タイヤの外側のゴム部分とチューブを変えるようです。

<自走用操作部(コントローラ)>
処方どおり左側につけてもらうことになり、併せてクラッチ(手動・電動切り替えレバー)も左利きの私に合わせて左側としました。

オプションでグリップに装着可能な介助用コントローラは、処方にも採用されていないこともあって、取り付けませんでした。

<バッテリ>
暗黙の了解という感じで、「リチウムイオン」になっているはずです(笑)。
大丈夫ですよね>Sさん?

なお、私の処方では「ニッケル水素」となっているので、過去の日記で紹介したとおり、「リチウムイオン」は交付基準外となり、
この部分は全額自己負担となります。

<電動ユニット>
「iS 電動オプショナル仕様」に標準で装着されている電動ユニットは、ヤマハ発動機製のJWX-1というものになります。
最高走行速度は時速「4.5km仕様」と「6.0km仕様」の2種類が用意されていますが、私が選んだのは処方どおりの「6.0km仕様」です。

このユニット・セットには、電磁ブレーキ、転倒防止装置(折りたたみワンタッチ収納式)、バッテリ、専用充電器、
コントローラ(自走用操作部:ジョイスティック付き)などが含まれます。

各社から出ている電動ユニットは「電磁ブレーキ」標準装備のものがほとんどだと思われますが、公費申請用の
「適」判定を受ける際には、処方に盛り込んでもらえるように申告してください(過去の日記参照)。

<付属品その他>
クッション、シートベルト、滑り止めハンドリムなど処方に記載されているものもひとつずつ決めていきました(詳細省略します)。

以上でとうとう私の電動車椅子のオーダーが完了しました。
見積金額を試算してもらったところ、充実した性能と装備にもかかわらず、かなりリーズナブルな金額に落ち着いて安心しました。

心配していた自己負担金額については、リチウムイオン・バッテリにすることでアシは出ましたが、トータルでは
当初の私の概算よりも遥かに納得できる金額になりました。

最終的にいくらになるのか正式な見積金額は、細かなパーツの寸法を調整後に、仕様明細とともに郵送していただくことになりました。


さて、気になる納期ですが、特殊なパーツ改造を必要としないこともあり、早ければ「1ヶ月少々」で完成するというのです!!
夏に間に合うじゃないですか〜(笑)。

カスタムメイド車椅子は、製作だけで2ヶ月はかかると聞いたこともあり、この際のんびり行こうと開き直っていたのですが、にわかに興奮してきました。
「夏に間に合う」ということは、私にとって重要な意味を持ちます。
(詳しくは後日に〜!)

ニッシンの営業担当Sさんは本当に迅速・丁寧で分かりやすく対応してくださいました。
また、裏話や興味深いニュースなどもいろいろと教えてくださり、来訪時にも楽しいひと時を過ごせました。(すべて紹介できないのが残念です。)

モノを買うときは、商品のクオリティも大切ですが、営業担当者の人柄も重要ですよね。
以前、会社でセールスの研修を受けたとき、「商品を売る前にまず自分を売れ」と教えられたことがありますが、まさにそのとおりだと思います。

ところで、私は公費の一部助成を受けて車椅子の製作を進めておりますので、オーダーして受領して支払って終わり〜とはなりません。
この後もいろいろとやらなければならない手続きが待っております。

次の日記では、そのあたりの手続き事項についてまとめます。

(つづく)
2009.06.17 17:35修正
2009.06.20 15:12修正
その 20 2009年6月20日
「その19」からの続きです。

昨年8月に北海道旅行したことがきかっけとなり、簡易型電動車椅子を作ろうと思い立ってから早10ヶ月。
ようやく納品を待つという段階までやってきました。

ここで、これまでの公費申請にまつわる手続き事項のおさらいと今後についてまとめようと思ったのですが、車椅子をオーダーした
ニッシン(日進医療器株式会社)の担当Sさんから、正式な発注書(仕様明細)と見積書一式が届きましたので、ちょっとレビューしたいと思います。

私がオーダーしたのは、「iS(アイエス) 電動オプショナル仕様」(ヤマハ発動機製 電動ユニット「JWX-1」装着モデル)です。

<各部位寸法>
まずはシート幅。
「iS(アイエス)」として調整可能なのは、36、38、40、42cmですが、私の体系に合わせて標準と思われる40cmとなりました。
なお、36と42cmは受注生産となるようです。

次に座面の高さですが、座面の前(前座高)と後ろ(後座高)とでは、若干前のほうを高くします。
まず、前座高は、

・自走式 :タイヤの大きさや移乗方法で決める。
・介助式 :介助しやすい高さで決める。
・屋外用 :フットサポート裏と地面の間隔が5cm以上。

というような目安があるようです。

そして、前座高が決まったら、それに合わせて後座高を次のような目安で決めるようです。

・姿勢が安定している場合 :後座高=前座高−約2〜3cm
・姿勢が安定していない場合 :後座高=前座高−約3〜5cm

ただし、座面角をつけすぎると円背などになりやすく、また移乗が難しくなったりするので注意が必要です。

「iS」として設定されているのは、次の前座高/後座高パターンです。

・46/44 (単位:cm)
・45/43
・44/42
・43/41
・42/40
・41/39
・40/38

以上の設定を見てお分かりのように、「iS」では、前座高と後座高の差をそれぞれ2cmとしています。
なお、後述しますが、このサイズが、後輪(駆動輪)と前輪キャスタのサイズを決める基準となります。

私は長身なので、一番大きなサイズ「46/44」となりました。

<後輪(駆動輪)および前輪キャスタ>
前の日記では、各部位の寸法を調整してからベストなサイズを決めるということでお任せしていたのですが、結果として、
後輪:24インチ、前輪キャスタ:6インチ(クッションキャスタ)となりました。
郵送されてきた書類の中に、「前座高/後座高設定表」というものが添付されており、それを見ると、上に書いたように
「前座高/後座高」が決まると、車輪のサイズもだいたい決まるようになっています。

「前座高/後座高」のちょうど真ん中のサイズである43/41ですと、後輪:22or24インチ、キャスタ:4,5,6 or ポルテ(5インチ) or
スポーツポルテ(4インチ)などから幅広く選べますが、それより大きくなってくると、たとえば後輪:24インチ、キャスタ:5or6インチ、
小さくなってくると、後輪:22インチ、キャスタ:4or5インチとチョイスが制限されてくるようです。
いずれも、トータルバランスを見てのベストマッチングとして設定されているので、特別な事情がない限り、この設定で行くのが最善だと思われます。

なお、「iS」を自走式としてオーダーする場合は以上のとおりなのですが、電動ユニット「ヤマハJWX-1」を装着する場合は、
46/44または43/41のいずれかから選ぶことになるようです。
それ以外の特殊な事情に合わせるとなると、フルカスタムメイドということになるでしょう。

<電動ユニット>
最初に紹介した「ヤマハ発動機製 JWX-1」という電動ユニットが装着されます。
発注仕様明細によると、次のような記載がありました。

・車輪サイズ :24インチ
・バッテリ :リチウムイオン
・操作部 :左側取付
・最高速度 :時速6km
・介助操作部 :なし
・クラッチ :左側取付

(電磁ブレーキ標準装備)
(転倒防止装置、外部充電器、含む)

ということで、これは打ち合わせどおりですね。

<フレームカラー>
標準色のブルーとしていますので、この部分の追加料金はナシです。
ちなみに、約20色のバリエーションから選ぶと、20,000円ほどのプラスとなります。


<その他オプション>
オプションはいくつかあるのですが、ほぼ処方どおりとしています。
その中でクッション(座布団)は多層構造の特注と記載され、厚さ:10cmとなっていました。
オーダー時に、このクッションを座シートに置く際に「マジックテープ止めにしますか、それとも滑り止めだけでいいですか」
と聞かれたので、滑り止めにしてもらうことにしました。そのことも特記事項欄に書かれていました。

私の発注仕様明細はだいたい以上なのですが、それとは別にヤマハ「JWアクティブ」にした場合の注文仕様書もご参考として添付してくださっていました。非常に分かりやすく比較できたので、このような配慮もうれしいですね。

さて、気になっていた正式見積ですが、これも明朗会計(笑)で、パーツごとに単価も記載され、さらには公費との差額や利用者負担額、
そして、最終的な支払総額までとても分かりやすく記載されておりました。その負担金額は安い額ではありませんが、
納得のできるリーズナブルなものでした。

実は公費負担額について、これまでちょっと誤解していたことがあります。
それはバッテリについてです。
私の処方は「ニッケル水素」だったのですが、それを個人的な事情で「リチウムイオン」に換えているので、バッテリ部分の
公費負担分は取り消しになって、リチウムイオンバッテリにした分をすべて自己負担しなければならないものと思い込んでいました。
ところがさにあらず、バッテリというのは必ず必要なパーツなので取り消しになることはなく、「ニッケル水素」から「リチウムイオン」
にグレードアップして高くなった「差額」部分を自己負担すればよい、ということだったのです。
そういう話だと公費支給決定額をかなり活かせるので、大助かりですね。

先に「個人的事情でリチウムイオン」と書きましたが、そもそも現段階で「リチウムイオン」バッテリは公費負担の基準パーツには
なっていないので、判定では認められず、差額部分は自己負担となります。しかし、スペックによると一回の充電で走行できる距離も
ニッケル水素の2倍ありますし、寿命も2倍以上あるということで、リチウムイオンは是非オススメです。

ただし、判定基準外のものを装着することになるので、万一バッテリ部分が故障したり、新たに買い換えたりする場合には
修理支給の対象とはなりません。このことは役所で聞いたのですが、判定処方どおりの「ニッケル水素」だと、バッテリの寿命で
買い換えるときには修理対応で助成を受けられるそうです。
でも、よく考えると、リチウムイオンの寿命はニッケル水素の2倍はあるわけですから、やはりリチウムイオンにしない手はありませんよね。

さてさて、納期は・・・「約6週間」と言われました〜たらーっ(汗)
ううう、ちょっと微妙。7月中に欲しいんですが、、、とはニッシンさんにも伝えてあります。
「最速で発注します」とのことなので、何とかなるかなぁ〜〜。

次回は、公費申請に関する手続き事項をまとめてみます。

(つづく)
2009.06.20 15;10修正
2009年7月30日 車椅子納品、そして無謀な旅行計画〜
かねてから製作進行中だった「電動車椅子」が、昨日ようやく納品となりました。
色々ありましたが、昨年8月に電動車椅子を作ろうと思い立ってから、約1年が過ぎていました(笑)。

納品にまつわるお話や、これから進めなければならない手続きについては、また改めて記事にしたいと思います。

さて、実はあさって土曜日(8月1日)から、所用と休暇を兼ねて10日間ほど旅行に出ることになっています。
今回の旅メニューは、ベトナム社会主義共和国のホーチミン、そしてシンガポールへ参ります。

しかも、今回納品されたばかりの電動車椅子を持参してみようという、まさに新車デビューとなります。
車椅子は簡易型とはいえ、フレームもゴツいし、重量もあるので、どんな旅になることやら想像もできません。

シンガポールは何度か訪れたことがあるのですが、最近はちょっとご無沙汰で5〜6年ぶりかも。
そして、ベトナムのほうは初めての訪問になります。
なぜベトナムなのかということについて、小ネタを交えて紹介しようと思っていたのですが、納車の件やら、旅の準備やら、
娘の夏休みの宿題やら(笑)、なにより体調がいまだイマイチだったりして、今日に至ってしまいました。
小ネタはまた次の機会にでも〜。

この計画は5月ごろから立てていたのですが、その後体調をすっかり崩してしまい、今日まで調整に必死でした。
なんとか食事もできるようになり、体力も少しは回復してきているので、思い切って敢行したいと思っています。

バリアフリー度どころか、現地の事情もよく分からず、おまけに旅先で電動車椅子を使うのは初めて・・・。
不安だらけでまた体調を崩しそうですが、がんばってきます(笑)。

というわけで、旅行から戻りましたら報告したいと思いますので、またお付き合いくださいネ〜。

今回の計画に、車椅子の納車をなんとか間に合わせてくださったニッシンさんに感謝しています。
それと、色々と応援やアドバイス、ご心配いただいた皆様にも「ありがとう〜!」。

では、また!!
その 21 2009年9月30日
昨夏、簡易電動車椅子が欲しいと思い立ち、以後約1年にわたって製作手続きを進めてきましたが、今年の7月末にようやく納品となりました。
自分の体に合わせてのオーダーメイド(=正確にはモジュール・オプション型)で製作したわけですが、約1年も掛かったのは、
公費助成が絡んでいたのと過程に於いてトラブルがあったためです。
そんな長きにわたる道のりも、ひと段落してしまうと懐かしい思い出になるから人生不思議なものですネ(笑)。
これまでの道のりは日記に連載しておりますので、ぜひ一度眼を通していただければ幸いです。

さて、前置きが長くなりました。
気が付くと、車椅子の納品についてのお話を紹介しないまま2ヶ月が過ぎてしまいました。
車椅子が納品されたのは7月末、ベトナムへの出発を3日後に控えた平日でした。私は、旅行に車椅子を持参するつもりで航空会社などにも手配を掛けていたので、納品が旅行に間に合うかどうかヒヤヒヤしていました。このあたり、業者の担当Sさんもかなり気を揉んでいただいたみたいです。

納品はあっけなく行われました。
セッティングしてもらって、調整してもらって、試乗して、終わり、です。
後輪のドラム部分やフレームパイプのあちこちには保護用のビニールシートが貼り付けられており、いかにも新品という感じです。
乗るのももったいないような、でも、早く乗り回したいような・・・。まるで、新しい玩具を買ってもらった子供のように興奮していました。

次の日、旅行の準備に忙しいにもかかわらず、うちの娘を強引に誘って、最寄の図書館に行ってみることにしました。
片道1km弱といった道のりなので、試運転にはちょうど良い距離です。ひとりで行けないこともないのですが、やはりちょっと不安〜。
図書館までの道は住宅街の中で、車の通りもほとんどなく絶好のルートです。

電動車椅子で走る(?)私の横を、娘は自転車で前へ行ったり後ろへ行ったりしながら付いてきてくれました。車椅子が走る様子がおかしいようで、
くすくす笑いながらもじっと見守ってくれてます。
暑い日差しと風を感じながら街を走ったときの印象は、「けっこう遅いなぁ〜」でした。これってホントに時速6km仕様なの?とまで疑ってしまいました。
単調な住宅地を走っていると、速度が実感できずトロトロ進んでいるように感じます。ちょっとガッカリしつつ、図書館に到着しました。

図書館の中は、エアコンの冷気と図書館独特の静けさに包まれていました。
電動車椅子のまま進入してもうるさくはないんだろうか??と心配していましたが、思いのほか騒音はなく、音に反応して振り返る人はほとんど皆無でした。ただ、停止状態から動かすときに、カチンというクラッチが入るらしい音が気になるといえば気になるかと思えました。

館内ということで、最高速度のレベルを下げて移動していましたが、外で気になったこと、「ホントに時速6km仕様か」ということを確かめてみたくなり、
広い場所を選んでトップスピードで走ってみたりしました。
すると、屋内では怖くなるような速さ〜。ホントに6km仕様だったんですね(笑)。何度かサーキット・トレーニングを繰り返す私に、
娘が「恥ずかしいから止めて〜!」と言うまで遊んでました。

ちょっと満足して帰途に着きましたが、やはり外だとトロトロ感が否めません。人間の相対的な感覚というのはおもしろいものですね。
時速6kmというのは、普通の人がかなりの早足でせっせと歩くぐらいの速度がありますので、日常生活では十分な速度なはず。だけど、
より速くを目指すのは本能なのか?
念のため、自宅に帰って品番も確認しましたが、たしかに6km仕様でした。
しつこい私です(笑)。

結局、この日の1時間ほどの試運転で、そのまま10日ほどの海外旅行へ持参してしまったわけです・・・。
無謀と言えば無謀な旅行計画。
しかし、色々と大変なこともありましたが、結果的には持参してよかった〜です。
このあたりの詳しいお話は、また別の日記に譲りたいと思います。


さて、旅行に持参した時点では、実はまだ1銭も支払をしていなかったんです。
納品時に、自己負担分の請求書と振込用紙をいただいていたのですが、旅行直前だったこともあってそのままになっちゃってました。
請求書と引き換えに、役所の福祉課から「補装具費支給決定通知書」と共に送付されていた2つの書類をSさんに渡しました。
「補装具費支給券」と「代理受領に係る補装具費支払請求書兼委任状」の2点です。いずれにも私の署名と押印をしました。
これらの書類を業者さんが役所に提出すると、公費が業者さんに支払われるわけです。
私のほうからは自己負担額を業者さんに支払うのみで金銭関係は決着します。

ただし、公費助成制度を利用している私には、最後にもうひとつクリアしなければならない手続きがありました。
納品された車椅子が、先に判定を受けて出された処方内訳書と一致しているかの確認を受けなければならないのです。
車椅子の製作を最寄の医療機関などを通して行っていれば、その医療機関などの施設で「補装具適合判定」を受けて、
所定のフォームの報告書を作成してもらって提出すれば済むのですが、そうでない場合は、判定を受けた上級庁(更生相談所など)で
適合判定を受けることになります。
私の場合は、医療機関を挟まずにいきなり上級庁のセンターで「適」判定を受けていますので、今回の適合判定もいつものセンターで受けることにしました。

マイミクさんから、「いまけっこう混んでるみたいですよ」と言われていたので、旅行前に役所の福祉課に電話で予約依頼しておきましたが、案の定、最速でも8月末ということでした。旅行から帰ってきてのんびり予約を入れていたら、もっと遅くなっていたでしょう。
というわけで、1ヵ月後に適合判定を控えての旅行ということになったのでした。